2013/7/14-15 甲斐駒ヶ岳 念願の黒戸尾根

   メンバー:OS (記)+Os

甲斐駒には、2度登っていずれも悪天候で展望なし。3度目の正直と思って、初の黒戸尾根から挑戦。昨秋、ワンディで行った早月尾根と肩を並べる日本二大ロング尾根なので、それなりの覚悟を決める。登山口に前泊しての日帰りも可能であるが、相棒の体力不安もあり7合目小屋泊のゆったりプランとする。

4:30に家を出て、7:51に登山口P着。尾白川渓谷での川遊びやキャンプのお客さんも多く、Pは満杯状態。甲斐駒ヶ岳神社にお参りをし、間もなく渓谷との分岐の標識に七丈小屋の料金案内あり。なんと「ヘリ空輸の不調につき、小屋での食事提供はなし」との表示に唖然。1泊2食の小屋泊まりのつもりでいたので困ったが、多めにおにぎり・パンがあり、非常食もあるので何とかしのげるだろうと決断し進む。10:20の2回目の休憩時、若い美人山ガール2人組にカメラのシャッターを頼まれる。一人は登山が2回目だそうで、もう黒戸尾根とは驚き。途中、下山するパーティーに小屋の食事のことを聞くと、カップラーメンは売っているとのことで少し安心する。

刃渡りの手前で写真を撮り、その先のピークを右から大きく巻いて、下りが始まる。そこで、我が会のIさんが小走りで登ってきて、Kさんもすぐ後ろについていた。二人とも私たちに出会って驚きの様子であるが、我々はのりさんのメールで知っていたので、どこですれ違うのか楽しみにしていた。彼らはワンディなのに、体力的に余裕の表情。さすがはロングコースのスペシャリストである。朝4:15頃出発で山頂まで5時間少々とは早い。少し歓談をしてお互いの健闘を称えあい目指す方向に分かれる。

ここはトレランの人も多く行き交っている。梯子の階段を何箇所か過ぎ、意外と早く13:24に七丈小屋に着いた。早速受付けをして山頂ピストンの準備をし、最小限の荷物で出発。少し登るとテン場が2箇所あって、下が15張り、上はまだ3張りほど。梯子段や鎖場を越えて、大きな岩に2本の剣が刺してある真下に到着。ここでポツポツと雨が始まり雨具を装着。さらに進むといい降りになってきたし、まだ山頂までけっこうありそうなので、撤退することを決意。断念して下り始めると、本格的な大降りになって来て、登山道も川のようになってきた。

土砂降りの中、15:40七丈小屋に駆け込む。着替えをして、まずはおっつきの缶ビール、次に菊水、焼酎へ。夕食に小屋のカップ麺も食す。1階のお客の夕食が終えた頃、小屋番さんの布団敷きが始まったので、皆でその作業風景を見守る。素早く丁寧で、職人芸のようであった。毛布は新しくていい寝具である。ストーブがついてやかんのお湯は自由。ちょっと暑いので、窓を少し開けて寝る。

翌朝は4:30起床。夜中はけっこうな雨音がして、外はすごくガスっている。天気が悪いので、回復を期待しながら遅めの出発とする。雨具を着て完全防備で不要荷物はデポし、6:40昨日の到達地点まで来た。その後は、30分足らずで山頂に到着する。小雨で体は濡れてやや風もあり寒い。低体温症ほどではないが、長居は出来ないので写真を撮って早々に引き上げる。甲斐駒は、どうも相性が悪く、またしても悪天候に視界を阻まれた。

好天の兆しがないので、10分程で下山。しかし、七丈小屋に近づくころになって晴れ始めて、天気が良くなってしまった。8:40小屋に着き腹ごしらえをしながら、晴れてきた山頂方面を振り返る。帰りの時間の都合もあるので止むを得ない。残念無念の思いを引きずりながら、9:14七丈小屋を後にする。5合目小屋跡9:46、刃渡り直下で前日落とした手袋を拾い、駐車場には12:45到着し、風呂に入って帰路の途に就く。

下山途中に、ピストンしてきたトレランの人に所要時間を聞いてみた。「う~ん、ベストは5時間位ですねぇ!」。
え~っ、登り3時間、下り2時間ってこと~。驚異的、っていうか、超人的!