2019/11/10 妙義山星穴岳と筆頭岩

8:00妙義中之嶽神社・・・8:45分岐・・・9:30西岳懸垂下降40m・・・10:20岩小屋・・・
11:00星穴岳山頂・・・12:00射抜き穴空中懸垂下降20m・・・45m懸垂下降・・・13:15妙義中之嶽神社・・・
さくらの里駐車場13:30・・・筆頭岩14:20・・・さくらの里駐車場15:30

メンバー:(L)HS、MⅯ、OSe、AN、、FY、US、+1




中之嶽神社
星穴岳山頂手前から
星穴岳45m懸垂下降
星穴岳射抜き穴20m空中懸垂下降
筆頭岩刃渡り
筆頭岩痩せ尾根
Aさんの懸垂45m
Oさんの懸垂
U君の懸垂
星穴岳山頂




私は夏山と冬山の変わり目にこの妙義山を技術訓練としてよく訪れる。
縦走からバリエーションの岩登りと様々なルートもあり、多くの奇岩が立ち並ぶ山容は見る者を圧倒する。
上級者でもちょっとした冒険が楽しめるのは低山ながらも毎年のように滑落事故が起きる危険度の高い山である。
中之嶽神社は本殿を持たず轟岩を御神体として祀っており、駐車場からは巨大な黄金剣持大黒像が視界に飛び込んでくる。
星穴岳は痩せた稜線に山頂があり、その稜線を貫く様に空いた穴は麓からも確認できる。
山頂直下の射抜き穴と結び穴の二つを近くで見るためにはクライミングの技術を要するルートとなる。
今回は会のメンバー6人とゲストのS君を加えて総勢7人で星穴岳と筆頭岩を楽しんできた。

中之嶽神社登り口から稜線まで登り、金銅山への分岐を廃道に進み痩せた尾根道を慎重に歩く。
ルートは不明瞭な箇所も多くGPSや地図はあまり当てにせず、何度かこのルートを歩かないと覚えられない廃道である。
走路途中の西岳手前は岩壁をトラバース気味に登り、西岳山頂から少し行くと1回目の45m懸垂がある。
3人の先行パーティが下りるのを待ちながら50mザイル2本を体に巻き付けチェストコイルを作り懸垂の準備をした。
この日、新会員のU君は実践での懸垂下降は初めてだったが、スムーズな動きで下降を楽しんでいる様だった。

星穴岳までは荒れた廃道のトラバースや痩せ尾根のスリルある道が連続し所々に残るピンクテープを目印に進み、
山頂手前の垂壁に這った木の根に掴まりながら攀じ登ると稜線にでる。
この痩せた尾根に空中懸垂の支点があるのだがその先に両側が切れ落ちた5mほどのリッジを登った所に山頂がある。
ここは安全策をとりザイルを出してリッジを登り山頂に立つと裏妙義、浅間山、荒船山など360°の展望が楽しめる。

山頂からリッジを引き返しいよいよ20mの射抜き穴空中懸垂が楽しめると思ったが先行パーティが下降に手間取り
順番待ちをしている間に後続のパーティも追いついてしまい、すれ違う事も難しい痩せ尾根は大渋滞となった。
ここを降りるだけで1時間はかかってしまい、続く45m懸垂下降を降りた後にもう一つの結び穴を見学する予定だったが、
時間も押してしまったので結び穴はカットし懸垂下降後そのまま下山路を進む事にした。

約40分ほどで中之嶽神社の登り口に戻り、急な石の階段を下り駐車場に着くと装備はそのまま「さくらの里」に車で移動し
金鶏山の一角にそびえる筆頭岩に向かった。
この山の登山道も廃道で車道に沿ってトラバースしながら登って行くが落石は事故の元になるので細心の注意が必要だ。
足元の下に車道を見ながら筆頭岩の基部まで慎重に進むと逆相の岩場が現れここから取付きになる。
ホールド・スタンスも多くフリクションも効くので高度感に慣れると楽しい岩尾根登りだが高度が上がるに連れ
尾根の幅も狭くなり痩せたリッジ登りになる。
山頂手前で剣の刃渡りと呼ばれる幅60㎝ほどのナイフリッジは左右両側ともスッパリと切れ落ちた垂壁の上を渡るルートで、
高度感は半端なく初めて訪れた人には強烈な印象が残ると思う。
ここはザイルを引き中間支点を取りながらフィクスを張りカラビナで自己ビレーをして通過した。

核心部を抜けると直ぐに山頂となり高度感溢れた360°の絶景が楽しめる。
下山は反対側に10m、40mの2ピッチ懸垂下降で岩の基部に降り、山を回り込む様に逆相の岩場まで戻り、
登ってきた道に合流し、落石に注意しながら下山路を駐車場に降りた。

筆頭岩は金鶏山の端に位置し時間があれば山を縦走し、最後に岩を登って締めるのも面白そうである。
「さくらの里」駐車場はゲートがあり8時~16時の間までなので、星穴岳を回ってから入ると時間も丁度良く、
どちらも楽しめるおすすめコースである。ただし経験者と同行した方が良いと思う。    記】HS