コースタイム:荒山地区除雪終了点発6:10--センノ沢出合7:10--
センノ沢巻きでの尾根乗越8:20--郡界尾根9:25--アオリ10:10--
下山開始10:45--850m11:20--センノ沢出合着12:20
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センノ沢出合 |
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右を行く |
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高倉沢を振り返って |
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稜線への登り |
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稜線をアオリへ |
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藪を越えれば本流 |
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アオリ着 |
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アオリ池に立つ |
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カネクリ山をバックに |
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いつか行きたい池の塔 |
(記:AN)
今日は晴天の予報で朝は冷え込んでいる。林道はアイゼンを着けずにセンノ沢の出合まで行く。
そこで支度を整え出発。朝日に輝き始める高倉沢や右稜、左稜を振り返り「あこを行けば楽かな?」
「高倉沢は歩きやすそうだ」などと話しながらゆっくりと歩を進める。アイゼンが良く効き不安はない。
途中左に枝沢を見てどんどん進むと650mあたりで本流の滝が見えた。右の股に入りちょうど良い岩が出てきて休憩。
左わきの藪尾根を越えるらしい。藪と言ってもそれほどではなく、尾根に出るといい具合に雪がたっぷりとある。
トラバースでしばらく行き沢床へ降りる。ブロック雪崩が生々しい。大きいのはNYさんの背丈ほどある。
THさんが昔大事な会員が7月の水無しで山菜取りの最中にブロック雪崩で亡くなった話をする。
私も会に入りたての頃だった。自然は恐怖だ。それを忘れてはいけない。
郡界尾根を真近に捉えなるべくアオリ寄りにルートをとる。先頭を行くNYさんが雄叫びをあげた。
郡界尾根に立つとそこには真っ白なアオリ池が広がっている。右は池の塔から駒ヶ岳の稜線、
左はアオリからカネクリ山への稜線。真っ白な稜線をアオリに向かって歩かせてもらう。
私でいいんですか?こんな幸せでいいんだろうか?
直下の藪を越えアオリの山頂に集まり記念撮影。それぞれ思入れがある場所で話は尽きない。
私もそうだがなぜ水無しにこんなに惹かれるんだろう。
「厳しいルートの中にもアオリ池のように最上の癒しの場所もある、そんなところも魅力の一つ」と
ONさんがつぶやく。さあ、そろっと下りましょうか。
帰りは4ピッチのザイルフィックスで安全に下った。途中「おーい」というKKさんの声がした。
だいぶ上まで来たがルートを間違えて会えなくなるのが心配で途中で引き返したらしい。
要所にペナントで書き込みを残せばよかった。次回の課題。
これからも自分の身の丈に合った入り方で郡界尾根に体と心を遊ばせてもらいたい。
いい1日をありがとうございました。
(記:TH)
久~しぶりに、山っぽい山に連れて行ってもらいました。やはり水無はイイ。三山はすごい、中でも駒ケ岳は!
郡界尾根とマキグラを従えた姿はいい。水無と佐梨と北ノ岐を懐にする駒ケ岳は立派である。
痙攣した脚を引きずり、アイゼン団子を叩き落し、靴下に血を滲ませ、「保革油を塗る必要のある靴なんですか?
博物館の文化財ですね。」との同行者の揶揄にもめげず、何とか往復しました。
後遺症は尾を引き、ずっと筋肉痛により山の余韻を楽しんでいました。
靴連れが治ったら、また山に行こうと思っています。
(記:ON)
険谷で知られた水無渓谷、その渓谷を取り巻く山々もまた険しい山ばかりだ。
しかし、その険しさの中にあって残雪期、センノ沢から郡界尾根に至るルートは
昔から会で登られてきたいわば“みちぐさクラシックルート”だ。
2019年4月に、数十年振りにセンノ沢からアオリに立ち、あらためてその圧巻な景色に感動し、
会山行のリストにあげさせてもらっていたが、登山適期は短く、
ブロック雪崩と雪渓踏み抜きの危険性の合間をぬっての1ヶ月間くらいしかない。
今回、雪解けがかなり進む中で、雪渓の状態が心配されたがギリギリ間に合い、
天候にも恵まれ仲間たちと郡界尾根のオアシス“アオリ”に立てた。
山頂から八海山高倉沢右稜を眺め、「来シーズンにはあの尾根に立ってみたい」・・・。
ここに居ると歳や膝の痛みのことなど忘れ、そんな意欲を掻き立てられてしまう。
水無で育てられ、鍛えられてきた自分にとってこの流域はいつまでも特別な存在だ。