2021/4/1~2 黒姫から田代平へ  (単独行:AN)

・コースタイム
1日目:7:30旧大自然館発--12:30稜線--13:30黒姫--14:20破間川--
    15:30枝沢--16:20田代平
2日目:6:35田代平発--7:30八十里越--8:20 990m--9:20左沢平原
    --11:30橋--12:00旧大自然館着

                           
黒姫から見た田代平
沢床から
田代平





八十里、田代平、左沢・・・憧憬の山域、魅力的なブログを見つけた。行けるかな?行ってみたい。
今年の雪の感じだと早いうちがいいだろう。

初日は何と言っても重荷を担いでの黒姫までが難儀だった。今日は黒姫山頂でビバークかと本気で考えた。
何とか稜線に着き、そこでアイゼンを履き黒姫山頂を目指す。山頂から見た田代平は遠いような近いような、
手前の沢は嫌に茶色く、雪解けが進んでいると感じた。
(大丈夫かな?)考えたが、行けるところまで行ってダメなら引き返せばいい。
そこから破間川へは一番左の尾根を下りた。今日であれば隣の尾根でも間の沢でもどこでも使えそうだ。
ぐんぐんと烏帽子山に近づいていく。沢に下りると、ところどころ穴が開いていて沢の流れが見える。
流れは優しく心強かった。右岸、左岸、藪のトラバースと繰り返し、田代平に続く枝沢に入った。
変な感じに雪が落ちていて滝に吸い込まれそうだ。ここで唯一短いトラバースにピッケルを使った。

沢が終えると田代平が広がっている。ここまで水の工面を試みたが危険を感じ、(雪をとかせばいいや)
と考えていたが、なんの、いい小沢が平原の中を走っていた。その付近をテン場として、
まずはしゃっこい水に缶ハイボールを冷やしに行く。水芭蕉の子どもたちが顔を出していた。
ツエルトを張り、支度を整え一杯始める。まだ外は明るい。一人でもなんだかんだと時間は過ぎていく。
携帯に充電を始めたら、なんと電波が届くでなないか。何通か送ったが、写真は送れず、
相手からの通信は入らなかった。それでいいのだ。夜中から風が吹き出し、朝まで続いた。
風の最初は熊さんか何かが来たかと思って意味なく息をひそめた。
風の音に混じってカモシカの鳴き声が何度も聞こえた。

2日目、風はまだ続いていたが空は明るい。ツエルトもフライを張らないとこの時期結露が多く、
接触した小物はぐっしょり濡れていた。アイゼンを履き出発。「さらば田代平、又来る日まで」
と誰かの十八番が口をつく。今日も何本かのいい感じの木に抱きつき(おはよ)と目を閉じる。
なんだか幸せホルモンが放出されるような気がするのだ。
 
八十里越えに立ち、3年前に早月尾根から木の根沢、三角山や田代山、木の根山と周回を試みたときは、
藪が多く途中から下りたが、どこからだったかなあ、と何度も何度も見返すがわからない。
後で相方に聞いてみなくちゃ。
1000m付近から田代平に続く尾根を下り、広い広い谷内は左沢の右岸の尾根を歩いた。
最後、もう少し回り込んで林道から橋に行くところは、足下に橋が見えたので面倒くさくなって
70m位藪の斜面を強引に下った。 今年もここに入ることができた。複雑な地形で自分はほぼわかっていない。
これから何回来れば覚えられるんだろう。でも、又来たい。また、いつか。