2022/5/29  谷川岳一ノ倉沢衝立岩正面壁中央稜  

メンバー:(L)HS、OSe、FY

コースタイム:2:00六日町発--3:00白毛門駐車場FYさん合流--3:25谷川RWベースプラザ出発
       4:15一ノ倉沢出合--4:40テールリッジ--5:20中央稜登攀開始--
       7:25 P3トラバース--7:45 P4チムニー--8:25 P5ピナクル--9:00 P6
       9:50 P7--10:30 P8--11:00 P9衝立の頭終了点--12:00下降開始--
      14:30ピナクル--16:30一ノ倉沢雪渓--16:45一ノ倉沢出合--
      18:00谷川RWベースプラザ到着



東尾根へと続く一ノ沢
テールリッジ
中央稜取付きで
NCCのDさんから頂いた画像
NCCのDさんから頂いた画像
NCCのDさんから頂いた画像
北稜の懸垂下降5回目
北稜の懸垂下降6回目
有難うございました




【記:HS
昨年何度か計画を立てた中央稜は天気に恵まれず先延ばしにしていた。
一ノ倉沢出合から雪渓の上を歩きながらここに来られた喜びと興奮を抑えつつ昨年一緒に登る予定だった
ノリさん、MMさんの思いも背負い一歩一歩登って行く。
今年3月にNYさんと登った東尾根稜線へと続く一ノ沢もシンセンのコル近くまでまだまだ残雪が張り付いている。
あの熱い感動を思い出し気持ちがたかぶる。

次第に傾斜が増しテールリッジに近づく。振り返ると何組も岩壁を狙うパーティが続く。
先ほど谷川岳RW駐車場で会ったNCCのメンバーも4人が中央稜に入る。烏帽子岩奥壁の南稜と同じく
中央稜は人気のルート、激混みが予想された。ザイルとガチャ類を詰めた重いザックを背負い、
息を切らしながらテールリッジを登り、中央稜の取り付きに到着すると既に2パーティが壁に取り付いていた。

早々に登攀の準備を済ませトップをFYさんに託した。後ろに見えたパーティも次々に到着し、
それぞれのルートに分かれて行く。前のパーティが2ピッチ目に進んでいる頃合いをみてFYさんがいよいよ登攀開始。
順番待ちのパーティが見ている中での緊張と、初見の不安を感じさせない登りはFYさんの努力の成果だと思う。
1ピッチ終了点から「どうぞ!」のコールでセカンドのOSeさんに続き自分も登り始める。

今回はトランシーバーを活用しトップとの交信もそこそこ上手く出来たが、電池の確認を怠ったので
途中出力低下のためコールが聞き取りにくくなり電池交換で交信を復活させた。
前のパーティが詰まり1ピッチ、2ピッチは時間が掛かったが後のピッチは間隔を空け慎重に登り、
全行程9ピッチのルート上はそれほど難しい箇所は無かったと思うが、調べてきたルート図と
実際の感覚が違っていて終了点の見極めに少し戸惑ってしまった。

北稜の下降ルートは懸垂支点、踏み跡もしっかりついていたが、初見なので慎重にルートを探し、
6回の懸垂下降で目印のピナクルに辿り着いた。ここからあと少しで藪に入るルートだったが、
ここまでの疲れを考えもうワンピッチザイルを使って岩場を下り藪に入ってザイルを片付けた。
さらにスラブに残る残雪をトラバースし衝立前沢の下山ルートに入り、しばらく雪渓を下ると次第に雪斜面は終わり
水の流れる沢下りになった。一ノ倉沢に合流する手前で再びザイル50mを一本使い懸垂下降で滝横を降りて
一ノ倉沢の雪渓に乗り一安心。

一ノ倉沢を下山しながら何度も振り返り無事に帰って来た安堵感と喜びが込上げてくる。
登攀途中はあまりの高度感に恐怖を感じもう来なくていいかなと思ったが、
終わってしまえばまた登りたい思いが強くなった。
今回初見の三人だったがルートファインディングに大きなミスもなくお互いの息も合って
素晴らしい登攀行程であった。許可をくれた家族と山の仲間に感謝したい。