谷川岳一ノ倉沢奥壁南稜 2025.5.18

メンバー:HS・KM

コースタイム:4:10谷川RWベースプラザ発 ー 4:45マチガ沢出合い ー 5:05一ノ倉沢出合い
        5:40テールリッジ取付き ー 6:40中央稜取付き ー 7:05南稜テラス
       10:00⑤ピッチ終了点 ー 11:00下降開始 ー 12:00②ピッチ終了点下降
       14:25雪渓 ー 15:30一ノ倉沢出合い ー 16:15谷川RWベースプラザ到着


今年も行って来ました一ノ倉沢南稜へ。
今回の相棒は膝の不調で何年も南陵を見送っていたKMさん。今年こそはと先月手始めに妙義山の木戸壁。
そこで膝の回復と練習の成果を確かめ、これなら行けると思い今回の計画をたてた。

今年は残雪も多く、まだ一ノ倉沢は早いと思われているのではないかと思い現地に向かったが案の定、
谷川ロープウェイベースプラザの駐車場はガラガラで他の登山者もいない。装備を整えいざ一ノ倉沢へ。
誰もいない一ノ倉沢の雪渓は静か過ぎて不安になるが、目の前の景色は相変わらずの絶景で心は踊る。
テールリッジを経て南稜テラスへと順調に進み、登攀開始。

後続もなく落ち着いてピッチを切りながらおよそ3時間で5ピッチの終了点に到着、最終ピッチの手前まで登ってきた。
最後のピッチの岩壁が前日の雨のせいか所々濡れ水も滴っている。もう少しで登攀も終わりと岩壁に向かい、
ハーケンにヌンチャクを3つほど掛けルートを進んだがその先の辺りで足の置き場が滑って進めなくなる。
あと一つハーケンに手が届けば何とかなると頑張るが足を滑らせ1~2m落ちた。
KMさんのビレーに救われ、怪我もなくホットして再度アタックするが再び滑って落ちた。
再度登って自己ビレーをとり少しでも上にとハーケンを打ち始めるが苦しい体制で上手く打ち込めず腕もパンプし始める。
短い距離だが二回の滑落で負荷がかかってしまったのか自己ビレーをとっている古いハーケンも よく見ると少しグラグラと動く。ここでアタックを諦め、捨てビナにメインロープを掛けてロワーで降ろしてもらった。

5ピッチ終了点から懸垂下降4回で南稜テラスに戻ってきた。さっきまで晴れていた空は山の上から雲が流れ始め
ガスが掛り霧雨も時々あたる。テールリッジも濡れていると滑りそうなのでザイルを使って慎重に降り、
途中から雪渓の方が安全と、烏帽子スラブ側に懸垂で下降し雪の上に乗った。
一ノ倉沢出合いに到着、無事下山できた事に安堵し、Kさんと熱い握手を交わした。
最終ピッチは登れなかったがあの景色を見せてあげられて良かったと思う。
次回は残してきた2mを超え達成感を味合わせてあげたいと心に誓う。HS