メンバー:(L)NY.OS.シゲ
コースタイム: 5:34 毛渡沢林道ー6:00 平標新道登り口ー6:55入渓開始ー10:55平標山仙ノ倉登山道中間到着ー
11:07平標山頂ー11:35平標山の家ー12:40林道ー13:34元橋駐車場
西ゼン・・・漠然としか想像が付かなかった。以前に「スラブが美しいから行ったほうがいい」と聞いていました。
なかなか行く機会を作れない中にチャンスが訪れた。もう、これは行くしかない。
朝5:00に平標山元橋の駐車場で待ち合わせし車を1台置いて毛渡沢林道に乗り合わせで向かう。
そこから山道を歩き入渓地点まで向かう結構と長い時間だ。しかし、沢が見えてくれば気持ちは一転する「ウキウキ気分」。
沢の中に入ってもすぐ滑や滝が出てくるわけではないが期待は膨らむ。
1時間も歩けば「おお〜ビューティフルー!!」と声をあげてしまった、開けたスラブが見えるではないか「美しい」。
東ゼンの分岐で少し休み、さて「いっちょやるかいぃー」と上り開始。トップは慣れたNさん、僕はその後をついて行く、
Oさんは写真撮りで最後を登ってくる。
それにしても美しい、まるで初恋の時に目がそっちばかり行ってしまう時のように見上げてしまうのだ、
いやはや完全に童心に帰ってる。こんな状態がしばらく続くので「ドキドキワクワク」も暫く続く。
それにしてもスラブがとても広いがゆえに登り方によってはいかようにも楽しめる沢だと思った。
今回はNさんが素晴らしいルートを選んでくれたのですんなり行ったが沢を熟知した上で
ルートを変えればいかようにでも楽しめるようだ、それなりのリスクはあるが。
最後のスラブも越えれば小滝がしばらく続いているがここも楽しい。遡行も進んでくると沢も細くなり水量も減ってくる。
と同時に笹藪竹藪に切り替わって来る。30分くらい藪漕ぎしたら平標山と仙ノ倉と中間地点の登山道に出た。
ここで3人で握手して山の家に向かい身支度を替えて下山した。山中では予定通りの行程でした。
今日も「ワンダフルホリデー」でした。シゲ
生涯の念願「西ゼン」成就なる
沢登りがしたくてみちぐさ山の会に入会し、沢に連れて行ってもらい始めてかれこれ13年。
年に1~3回程度の遡行でしかなく、未だに連れて行ってもらう立場でお恥ずかしながら人様を連れて行ける力量に無い。
この度はNYさんに「人を連れて行けるようになって欲しかった」と本音を言われたが、
如何せんこの年齢と技量では悲しいかな難しい。
そんな自分ではあるが、生涯ここだけは行ってみたかったという沢が二つだけある。
それは、決してオツルミズだの真沢だのと、崇高なレベルの沢ではない。その筆頭が「ヤド沢」であり、
3週間前にNYさんから連れて行っていただき念願が成就した。そして、その二つ目が今回の「西ゼン」である。
西ゼンは、2年前に二日連続で山スキーで滑ったことがあり、沢登りをしてみたかった。
また、夏場に平標新道の途中から眺めて、スラブの快適そうな沢に見えて憧れていた。
そんな念願の西ゼンを遡行することができ、藪漕ぎの後に稜線に出てから、NYさんに感謝を込めて
握手をしたら思わずハグッてしまい、感極まる思いであった。
実は、当初NYさんから「井戸小屋沢右俣」を提案していただいたのであるが、
未だに5年前の事故が脳裏に鋭く焼き付いて離れず、逃げ腰となって変更願った結果、西ゼンに落ち着いたものであった。
西ゼンは2箇所のスラブがあると見聞きしていて、スラブと滝登りが苦手な自分には難関であり躊躇する思いもあったが、
シゲさんを道連れにして入渓と相成った。全体的に、石もスラブの水際の変色した岩も滑って怖かった。
恐れていた第1スラブは、ほとんど左側を登り、NYさんの安全なルート取りで、安心しながら遡行することができた。
事前に難所と聞いていた第2スラブの嫌らしい草付きトラバースは、チェーンスパイク装着で安定感抜群。
チェーンスパの威力は大きく、今後草付きには離せない。
ということで、想定外にスラブを比較的楽にクリアすることができ、NYさんに感謝である。
今回のような安全なルート取りをすれば、ある意味「米子沢」よりも易しいのではないかと思った。
NYさんは、この沢は紅葉の時期や天気のいい時がスラブの開放感があっていいのだそうだ。
今日はややガスり気味で、眺望はイマイチだったが、信頼できる仲間と沢歩きを共にできただけで、
自分には余りある遡行となった。
ほぼ諦めていたヤド沢と西ゼンを、NY先生のおかげ様でトントン拍子に遡行することができもう何も思い残すことは無い。
・・・と言いながら、次は万太郎本谷をNYさんと約束する自分がいるのだった。OS