| 広大な石転沢雪渓 |
| 大日岳方面を望む |
| 一株だけ咲いていてくれました! |
昨年より歩いてみたいと願っていた石転沢雪渓を、山の先輩が計画してくださった。最も急な斜面は40度とか・・。怖がりの私に登れるのだろうか・・。不安も緊張もあったが、心も体もそれなりの準備をして臨んだ。
当日は快晴。長者原から白く大きな飯豊がそびえる。天狗平駐車場に着くと、数台の駐車。思っていたよりも少ないと感じた。そのほとんどがスキーヤーだった。
温身平まで新緑のブナ林の中を歩く。婆マクレ付近のへつり道は少し緊張しながら通過。うまい水で一服した後、ほどなく雪渓の上にあがりアイゼンを装着した。今年は残雪の量が多いとのこと。
雪渓は安定していて歩きやすい。見上げるとどこまでも続く長大な雪渓。そのスケールの大きさに感動しながら進んで行くと、先行していたスキーヤーたちに次第に追いついた。
気がつけば斜度はどんどん増し、先頭者のステップを一歩一歩慎重にたどるのみとなった。怖がりの私には周りの景色を楽しむ余裕なんてなくなってしまった。
最後の急登は、ルート取りを勘違いして?梅花皮岳寄りに行き過ぎてしまい、草付きをよじ登ったりしてすこし苦戦したが、出発してから4時間で稜線に上がることができた。
いつもだとガスが沸いてきて展望が得られないとのことだが、この日は360度の雄大な景色が広がっていた。
アイゼンを外し先へ進む。稜線上も人はまばらで時々スライドするのみ、皆それぞれのコース、スタイルで静かな飯豊を楽しんでいるようだった。
北股岳、門内岳を通過して門内小屋で昼食休憩した後、丸森尾根をめざして下山開始。小屋から少し歩いた所に一株だけハクサンイチゲが咲いていてくれた。あと一週間もすれば稜線上は花畑になっていることだろう。
地神山を越え丸森峰へと下る。ここの斜面はガスがかかるとルートがわかりにくくなるところだが、視界も雪面の状態も良好で、グリセードや尻セードで皆一気に下った。
丸森峰から先はほぼ夏道通り、急なうえ、倒木や斜面が崩れているところもあり全く気が抜けない。だのに木の根に不意に置いた一歩で尾てい骨を強打してしまった。
痛みに耐えながらなんとか下りてくると、ヒメサユリが一輪だけ咲いていてくれた。梅花皮荘で汗を流し帰路に着いた。
(記)K ・N
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