2013/7/28 黒又川日向沢

    メンバー : (CL)MM・NY・OSe・OS・MS・AS

晴れ  中ノ岳十字峡登山口から、堰堤を目指し踏跡を辿り入渓する。
入渓してすぐ右の沢に進む。
写真の滝は安全の為ザイルを出しましたが、フリー登攀できます。

幾つもの滝を越えていくと大滝に辿りつき、途中からの草付とトラバースは、初の人もいた様なので、掴まる手度のザイルを張りました。
草付きトラバースは足元の土が滑ったり、今にもちぎれそうな草を掴み、米子沢とは違ったスリルのある遡行です。
その先にはシャワーも楽しめる箇所があり、力量のある人にとってはたまらない。
「夏沢はこれがあるからやめられない」と言う。

分岐となる左の沢をフリーで登る。水量も減りやがて沢筋が消え行き止まりとなるが、そこには湧き水がある。この湧き水でのどを潤し水を補給する。又来る時のためにと近くにペナントを付けた。
ここから藪漕ぎ25分、ブッシュは薄いが意外と体力消耗となる。
登山道に出てNYシェフの料理で休憩してから登山道を下る。

新しい方にとっては、馴染みの少ないザイル訓練やザイルワークをこなし、聞いた事はあるが、見た事は無い知識を米子沢で実践し、今回の日向沢で更に課題を追加し、米子の復習をして次回へのステップとなりました。 (記)M・M

 初めての越後三山の沢-中ノ岳・日向沢
日向沢は、「登攀的な谷、難渓ひしめく越後にあって、流程も短く、また困難度も低い沢、しかも越後の沢の雰囲気が充分に味わえる沢として、この地域にあっては貴重な存在である」とガイドブックに紹介されている。よし、これなら単独で行けそうだと思っていた。
今回、この日向沢の計画を知った時、一にも二にも飛びついた。

十字峡の堰堤の上流は、黒又川の広い河原が広がっている。右に左に渡渉を繰返すと、右から日向沢が流れこんでいる。
河原の渡渉は、行った事のない黒部の上ノ廊下とは、こんな雰囲気なんだろうかと思いつつ渡渉をした。

巻機山以北の沢登りは、今回が初めてである。優しい渓相の米子沢よりも日向沢の方が険しい。どうも巻機山よりも、中ノ岳の方が、地質年代が古く、また地質も違い、その違いが渓相に現れているようだ。

いずれにしても、一つとして同じ沢は無く、初めて行く沢は緊張感があって楽しい。
以前は丹沢の沢に行ってみたいと思ったが、この頃はその気持ちが薄れ、越後の沢や奥利根・谷川連峰の沢を楽しみたいと思うようになった。 (記)O・Se

山と山の間を歩くような沢だと感じた。出合に行くまでの道も迫力があった。
進んで行くうちに何度かザイルを出してもらい、プールジックをしながら滝を巻いた。プールジックの際、短いシュリンゲを使用したことで登りづらくなり、後ろの人たちに迷惑をかけたので気を付けたい。
今回はMMさんたちにやってもらったが、自己確保や支点取り方なども徐々に覚えなければならないと思う。

日向沢では岩と草が一緒にあるような場所が多かったが、滑るか滑らないかの判断がまだできていないので腰が引けてしまった。
沢の最終地点まで登り、休憩した後、藪漕ぎをして登山道まで出た。私は初めてだったので、道なき場所を登ることはとても新鮮であった。(たぶんあと数回で飽きる)
登山道に出てからは、NYさんからノンアルコールビールやウナギのかば焼き、ANさんからチーザ(つまみ)を頂いた(他にも何か頂いていたとしたらすみません)。頂いてばかりで申し訳ないという気持ちを上回るうまさでした。

下りは雨が降り、登山道が滑りに滑った。最後は駐車場に着き解散。町のほうに行くと見事に晴れた。
日向沢についてもMMさんに送り迎えをして頂きました。疲れている中ありがとうございました。 (記)M・S

米子沢に続き、3度目の沢登り。米子沢と比較して岩が黒っぽく、黒い沢というイメージを持った。黒いといっても悪い感じはなく、明るくスラブが広がっている光景はずっと見ていても飽きることは無かった。

一つ一つの滝の傾斜は急に見えたが、岩の滑りがあまりなく、足のかかりが良かったように感じた。途中、2回ほど確保の練習をさせていただき、本番での経験になった。やや忘れているところや理解できていないところがあったので、その都度メンバーの方々にアドバイスをいただきながら登った。あれこれと答えてくださるメンバー方々には、とても感謝を感じている。

最後の(みなさんが言うには藪っぽくない)藪では上半身をよく使った。木々を掴み、引き寄せ、また掴みの繰り返し。沢登りは全身のバランスが良く無ければいけないのだと改めて感じた。

最初のアプローチから最後まで、自分自身をうまく使い乗り越えていく面白さを感じた沢だった。 (記)A・S



 ~予想以上に楽しめた沢~
山行前日、田んぼの草刈り途中の昼休み、パソコンを見るとMMさんから沢の案内メールが入っていた。明日は、裏三山縦走を狙っていたが、長時間で厳しいこともあり、地元の沢の計画なので行ってみたいと思い申し込む。 朝のスタート時間がゆっくりなので、寝坊の私には助かる。三国川ダムは向って右側の県道側から入る。市道はまだ通行止めのはず。昨日の雨で、右側の山肌から水が流れ落ちている。日向沢も増水しているのだろうかと、やや心配になる。
十字峡を回り込み登山センターの駐車場に着くと、すでにNYさんとASさんが先着して準備をしていた。私も急いで準備をし、皆が揃ってスタート。今日のメンバーは総勢6人で、こないだの米子沢のちょうど半分である。

黒又沢の堰堤を越えるまでのトラバースは、雑木が低く茂っていてザックが引っかかり歩きづらい。しかし、釣り客も多いのか、踏跡はしっかりしている。河原に降り立つと、広々としていて気持ちがいい。黒又のダム湖で釣りをする2艘のボートを尻目に遡上を開始。
しばらくは、水量の多い広い河原を進む。25分程で、本流は左に大きくカーブしている。当然その本流方向と思いきや、情報機器の達人であるOSさんのGPSは右の小沢を示している。MMさんが古い記憶を思い出したように「ここだここだ」といい、日向沢の出合に到着。
入り口は小さく見えた沢も、少し入ってみると立派な沢であった。けっこう水量も多く次第に水浸しになる。
前半はけっこう大きな滝がいくつもあり、2箇所程ザイル確保する場面もあった。ガイドブックでは初級コースとあるが、もう少し難易度が高いように感じた。沢2回目の超初心者の自分には、けっこう手応えもあり面白い沢だと思った。

後半は、沢筋が徐々に細くなり、ぐんぐんと勾配を稼ぐようになる。最後のピッチで先頭を歩くよう指示がある。せっかく沢登りをしているのだから、直接水の中を歩くように努めた。小さい滝だと多少滑っても恐怖感は少なくなってきた。

けっこう長い沢歩きを楽しみ、湧き水の出る終点に着いて休憩。皆で沢歩きをしてきた満足感に浸る。ここからまた、初の藪漕ぎとなったが、それほどの藪ではなかった。傾斜がきついところもあり、けっこう足腰に堪える。ところが、NYさんは、獣のようにスイスイと進み、最後はだいぶ離されて視界から見えなくなってしまった。まもなく、登山道に出たNYさんから歓喜の雄叫びがあったので、もう少しの辛抱と安堵した。

皆が尾根道に到着すると、NYさんがザックからオールフリーをドーンと6本。驚きは、それだけでは済まず、なんとウナギのかば焼きを網焼きしてくれて、皆でつまませていただいた。大変ごちそう様でした。また、MMさんが、尾根に着いたとき、「ああ、安心した。」と安堵の声を上げたのが印象的であった。やはり、沢でも岩でも、危険が隣り合わせの山行で、皆が無事に尾根道に着いた時に、リーダーの責任としての安心感が湧き上がるのであろう。

日向山の山頂からまだかなり手前の所に出たと思うが、ここからの下りもけっこう長かった。少しすると天気予報に反して雨が降ってきてずぶ濡れになる。普段の尾根歩きであれば、ザックカバーを付けたり、雨具を着る所であるが、誰もそのような所作をする人はいない。むしろミストシャワーでちょうど良いという声も聞かれた。さすが“みちぐさ山の会”である。急斜面の下りのため滑ったりしながら、ようやく登山口へ。皆の満足した顔の中、MMさんの挨拶で解散となる。思ったよりも面白い沢であった。
   (記)O・S