2013/8/16-18  「会山行」 剱岳 源次郎尾根

    メンバー : (L) NU、IM、OS (記)、OSe、AN

柏崎に3:30 集合し、沢山の荷物を1台の車に積み込み、5名のメンバーで出発。リーダーのNYさんが、すごい量の食材を調達してくれ驚いた。

立山の駐車場で、共同装備の大型テント・ザイル2本・食材を分配する。80Lのザックが満タンとなり、行動食とヘルメットを手持ちとした。NYさんは100Lで、後ろから見るとザックが歩いているかのようである。

立山駅で切符を購入。混んでいて40分ほど待つ。
8:25 ケーブルカーを降り、荷物を背負い急な階段を登り始めると、重すぎて足が上がらない。こんなんで、雷鳥坂を登れるんだろうかと不安になる。

バスに乗り込む前に秤に乗せてみると28.5kg。手荷物を加えると約29kg。これは社会人山岳会での21歳頃以来であろう。
30数年の時を経た体力でどうなることやら誠に不安。

室堂に近づくと、左に剱岳が見えてきた。自分には難易グレードが高い山行なので、気持ちの引き締まり方も違う感じがする。
好天の中、9:40 雷鳥沢に向けて歩き始める。キャンプ場には、沢山のテントが花開いている。

いよいよ長い登りが始まり、一歩一歩足にズシンとくる。片足毎にしっかり体重を乗せて重心移動で前に傾くように心がけながら歩く。

急坂でガレ岩帯なので歩きづらく、皆も苦しそうである。それでも、徐々に標高を上げ、振り返るたびに立山カルデラの雄大な景観に癒される。

植物の緑と岩稜のグレー、白い雪と雲、青い空、すべてのコントラストが絶妙にマッチして、いつの季節も大好きな場所である。

「きれいだなあ」「素晴らしいなあ」と思っていると、意外と早く12:02剱御前小屋に着いた。

剱はややガスっている。皆で“おっつき”にしようということで、持参の1本を一気飲み。うまい。

剱沢の下りは一目散であった。
剱沢キャンプ場もテントの花盛り。端の方にエスパースジャンボとNYさんのツェルトを張る。

ところが、せっかくのテン場での祝杯が始まる頃になって、気持ちが悪くなってきた。いよいよ冷えたビールで宴会という時に、テントで横になる始末に。とほほ。

夕食の頃にはなんとか回復して、NYチーフの豪華絢爛な具沢山焼肉とチラシ寿司をご馳走になる。
皆さん、料理も手早く上手で、慣れているなあと感心した。

ここは剱の全景が良く見え、最高のロケーションのキャンプ地だ。こんな最高の山行を与えていただいた皆さんに感謝しながら眠りに着く。

翌朝は、3:00 起床。装備を整えて4:47 出発。源次郎の取り付きを目指してグングンと下る。

雪渓に降り立つとガチガチで滑る。もう少し急斜面ならアイゼンが必要だろう。

5:40 取付着。しばらく登ると先行パーティーがいて、ザイルをフィックスしている。
お言葉に甘えてそのザイルを使い先に行かせてもらう。ただ、最初の岩が登りづらく、少し手こずってからようやくクリアー。

Ⅰ峰までは急斜面の連続だが、ハイ松の枝が適度にあるのでそれにつかまりながらグイグイとよじ登る。荷物も軽いので快調である。

7:55 Ⅰ峰に着くと眼前の八ッ峰の眺めが素晴らしい。
Ⅵ峰のA~DフェースをNYさんから教えてもらう。Aフェースの登攀パーティーが見える。圧倒されるような景観である。

少し下って、Ⅱ峰への登り返し。
8:40 Ⅱ峰のピークからは、また更に八ッ峰が近づき圧巻の展望である。

ここから30mの懸垂下降。久し振りで感触を忘れていたが、5mも降りたら思い出し、あとは楽しい空中散歩気分。

昔のわずかな経験があるとはいえ、ほとんど忘れていたザイルワーク。こんな楽しい思いができるのも、ザイル訓練で優しく教えていただいた会長を始め先輩諸氏のおかげである。感謝、感謝。

さあ、あとは山頂へのガレ場の登り。思ったほど急ではなく10:20 剱岳着。

別山尾根からの大勢の登山者で賑わっている中、OSeさんが雪で冷やしたビールで祝杯。うまい。

しばし景観を楽しむが、やはりここから八ッ峰を見下ろすよりも、源次郎尾根から真正面に見た方が数倍の迫力がある。

後立山等の展望も楽しんで下山へ。一般ルートとはいえ、危険なので慎重に降りる。
新しくしっかりした太い鎖が随所に張られており、剱のメインルートであることがうなずける。

剱沢キャンプ場の小屋でビールを買い出しし、途中の残雪で冷やしながらテン場へ到着。
荷物の片づけもそこそこにして、源次郎登頂の祝杯をあげる。うま~い。

剱の雄姿を見ながら、今日歩いてきた道のりを目でたどる。

Ⅰ峰・Ⅱ峰が良く分かるようになり、Ⅱ峰の懸垂下降箇所もはっきり見える。

昨日眺めた剱の全景とは感慨が全く違っていた。この満足感、達成感、安堵感、なんとも言えない喜びが込みあげてくる。
これだから山はやめられない。

今宵の夕食も素晴らしく、具沢山の鍋ものがうまい。酒もうまい。そして、適度な疲労感で、感無量、昇天。

3日目の朝は5:00 起床。天候はややガスり気味で下り坂。

テントを撤収し剱御前へ登り返し、大日コースを下る。

立山も剱も上空はガスで何も見えない。雷鳥の親子がいて砂浴びをしていた。

雪消えの遅い斜面では、まだ花が咲いていた。雷鳥沢キャンプ場で小休止し、室堂に9:55 着。

メンバーのおかげで、素晴らしく楽しい山を味あわせていただいた。