2014/3/24-25 鹿島槍東尾根

  メンバー : AS、+3

1日目 駐車場には私たちの他に2パーティが準備をしていた。中には単独の人もいるが、どちらに向かうのだろうか。
朝6:00出発。雪が程よく締まっている。取付までの林道は何もつけずに行く。
今回、東尾根へは赤テープより手前の緩やかな斜面から取り付く。
所々空洞があるような雪面で、場所によってはワカンを履いても埋まってしまう。
  (この嫌な雪質(?)が下山で大きなペースダウンの原因になることに・・・)

尾根の上に上がるとしばらくは樹林帯を進む。急斜面もあったりでなかなか疲れる。
アプローチでは何時も体力不足を感じてしまう。
一番は山に登ることだが、日頃からのトレーニングも考えなくてはいけない。

次第に木もまばらになり、辺りが開けてくる。
この日もとても良い青空が広がり、周囲の山々が良く見える。隣には小遠見山、中遠見山の尾根が続く。

高度を上げると変わる景色。いつもわくわく好奇心を与えてくれる。
急登と緩斜面の繰り返しの尾根が続く。 尾根上にはしっかりとしたトレースがついていて登りやすい。

途中、幾つかテントを張った形跡を通過する。恐らく週末に入ったパーティだろうか。
先に進むと途中で引き返した人もいたのか、トレースが薄くなる。 踏跡を見るとなかなかの雪の深さである。
目指す岩峰が近づく。天気も良く時間もあったので、岩峰間近まで行き、ここをテント場とする。

緩やかな場で3~4人用のテントでも余裕に張れるほどの広さがあった。
私は雪上でのテント設営は全くの初心者。 穴掘りも壁作りも下手。他の3名は手慣れたもので、サクサクと作ってゆく。
数泊したいくらい立派なテント場が完成する。

夕刻、暗くなると雷鳥がテント間近まで飛来してくる。
初めての冬の雷鳥に出会いに興奮する。
日暮れで白かグレーか分からないのが残念だったが、山で生き物と出会うのは楽しい。

夜は夜景と星空を満喫し、朝の早出に備え早めの就寝とした。


2日目 朝5:10出発。すぐに目前の第一岩峰に取りつく。
斜面は薄い氷が覆い、所々に岩や木が出ている。

薄い氷は効きが非常に悪く、すぐに手元が外れてしまう。
氷を避け、草付きにバイルを打ち込む。木を掴みながら登る。
また足にも力を入れて、アイゼンをよく効かせる。

アイスクライミングを少しでもやっていて良かったと実感。
ただ立ちこむところではふくらはぎがつりそうになる。まだまだ修行が足りない。

どうにか不安定なところを乗り越え、岩壁を抜ける。ここでの手間に次の岩峰に不安を感じる。

第二岩峰までしばらく雪稜を歩く。この日の天気は微妙。晴れてはいるが、雲が出てきている。
山頂付近も時折ガスがかかる。

第二岩峰ではロープを出し、確保しながら進む。
トップは清津のYさん。核心部は最後の岩を乗り越すところ。
やはりここで手間取っている様子。
最後は岩にアイゼンを引っ掛けて身体を這って上がる。

私も核心部までは上手く岩を掴み、難なくクリアできた。
問題は核心部。なかなか上手く身体を上げられない。
あぶみをつけていただいたが、バランスをとれず使えなかった。

最後の最後は肩車になりそうだったが、どうにか岩の窪みにアイゼンがかかり、登ることが出来た。

後で聞くと皆もこの窪みを利用したそうだ。本来はガバ岩があるらしいが、今回は雪に埋まっていた様子。雪の付き具合で大分変わるのだろう。

岩峰を抜けると峰まで再び雪稜が続く。
頂に近づくにつれ、段々と風も強くなる。時折切れ落ちた尾根も出てくるため、バランスを崩さないように慎重に越えて行く。

北峰上も風が強く、標も出ている。五竜までの続く尾根を見渡し、キレットの深さに溜息が出る。

風も強く天気も崩れそうなので、先を急ぐことにする。
北峰から先は一般的な縦走路でもあるため、トレースがしっかりとつき歩きやすい。 また雪も締まり、アイゼンが良く効く。

ただ緊張するようなトラバースに幾つか出合い、少し手間取る。
北峰まで思ったよりもすぐに着く。その後も風が強く、時間がかかりそうなので休まずに先を進む。
風が強く、バランスを取るのも一苦労。

途中、布引山、冷池小屋を通過。風が弱まる樹林帯で一休みする。
ここで栄養をつけ、下山までもうひと頑張りする。 赤岩尾根の分岐は立て看板が出ていて分かりやすいが、その後にすぐに迷う。
赤テープを追うと違う尾根に行きそうなので、谷をトラバースし隣の尾根に向かう。 (結局最後は合流するようだった)

長い下山路下ってゆく。途中の樹林帯でテント跡を発見。 他2人によると昨夜ここら辺で明かりが点いていたらしい。
下るにつれ、雪が緩くなり歩きづらくなる。ワカンをつければ良かったが、タイミングを逃し、つけずに下る。
後で後悔するも遅し。雪下には空洞が多くあり、よく足を踏み抜く。
どうにかこうにか林道まで下る。林道から駐車場まで小一時間ほど歩く。

GWの頃に登られるルートらしいが、その頃の具合が気になる。また時期を変えて登るのも面白いかもしれない。