2014/6/10-11 朝日連峰・花の旅  ~たおやかな稜線を歩く~

    メンバー : NY(L)・KN(記)

『飯豊は険し、朝日は遠し』という言葉があるそうだ。
以前ハイキングクラブの方々とご一緒させていただいたが、たおやかな稜線が印象に残っていた。

今春、「花きれいだよ」とNYさんから縦走のお誘いをいただき、喜んで同行させていただくことにした。

どんなルートで歩くのか楽しみにしていたが、歩いてみたかった小国町・五味沢から祝瓶山~大玉山~平岩山~大朝日岳~西朝日岳~竜門山を越えて思い出の竜門小屋泊とのこと、どこまでも歩いていけそうな稜線を想像しながら山行日を迎えた。

 6月10日

五味沢集落奥の大石橋よりスタート。
程なく祝瓶山へ続く鈴振尾根に取り付く。急だけれど素直な印象の道だ。

途中から早春の花がぽつりぽつりと現れて「これは○○」「あれは○○」と、まるでビンゴゲームをしているように楽しみながら歩くことができた。

祝瓶山山頂は生憎のガスの中だった。

大玉山へ続く分岐まで戻り、まずは大きな下り。
最初はヤセ尾根だが、やがて樹林帯に入った。
この道は歩く人が少ないのか少し原始的な匂いのする道だった。

花をたくさん付けた大きなサラサドウダンの木がトンネルのようだった。

赤鼻の分岐から大玉山まで我慢の上りを終えると、平岩山へ続く稜線に出る。

北大玉山を過ぎ、花や展望を楽しみながら歩いていくと平岩山に飛び出した。

平岩山山頂はひっそりとしていて神秘的で、ヒナウスユキソウやチングルマやイワカガミが一面に咲くとても素敵な所で一目惚れ!しばらく花を眺めてから大朝日岳に向かった。

最初は緩やかな道で、墓標のように立っている平たい石と花の群落が不思議な空間を作り出している。

西朝日岳から袖朝日岳の展望が素晴らしい。
やがて大朝日岳までのガレた急登になったが、ダイレクトに山頂に出る道は大変だったが気分が良かった。

大朝日小屋に立ち寄ったが、誰もいなかったのですぐに西朝日岳に向かった。
途中大きな雪渓で水を取った。

中岳を越える前後は所々雪渓に乗ったが、その時はNYさんから視界が悪い時の歩き方を教わった。

いつしかガスも取れて青空が広がってきた。
祝瓶山から続く稜線を振り返り、よく歩いてきたなぁ・・とひとごとのように思う。

西朝日岳までは再び花々が咲き、寒江山へと続く稜線を眺めながら歩を進めた。

竜門山までは着きそうで着かないダラダラの道で疲労もピークに・・その様子を見て、あわよくば狐穴小屋まで狙っていたNYさんも諦めてくれたようだ。

竜門小屋に到着する頃には再びガスに覆われた。

期待していた水はまだ引かれていなく、小屋の傍で雪を取ってきて、NYさんから水の作り方やその間にすべきことなどを教わりながら、ゆっくりと過ごした。

 6月11日

翌朝もガスだったので寒江山へは向かわず、小屋でゆっくり過ごした後、出発。
適度に風が吹き歩きやすい。

大朝日岳山頂では初めての展望があり、名残を惜しむようにしばし眺めた。

大きく下り、再度花を楽しむ。水滴のついたヒナウスユキソウが素敵だった。

平岩山を経て赤鼻の分岐から今日は角楢小屋方面へ下山する。
こちらはよく歩かれている、いい道だった。

どんどん下っていくと、昨日は帰れるの?と心配になったのに、今日はもう帰っちゃうの?と寂しい気持ちになった。

角楢小屋で休憩し、今日の核心部?一本丸太のつり橋、角楢橋へ・・心配したけれど無事に渡れて安堵した。

フィナーレは針生平のブナ林・・新緑がとても美しかった。

帰る途中、五味沢の集落の向こうに白く大きな飯豊連峰が見えた。

朝日連峰の花たちもきれいだったけれど、来週は飯豊・ギルダ原のハクサンイチゲに会いに行こう・・そう思いながら静かな山旅を終えた。

NYさん、素敵な花の旅をありがとうございました。