2014/6/25-26 北岳・間ノ岳

    メンバー : KN(記)+1

    ~そこだけにしか咲かない花に会いに~

『キタダケソウ』いつかは見てみたいな・・という想いはあったが、今年ふと出かけてみようかな・・という気持ちになった。
幸いにも芦安からのバスが営業を始める日と休みが重なった。せっかくのチャンス、ならば行かねば!

 6月25日
駐車場に到着すると、同じ目的の人達がバス乗り場に並んでいた。
営業初日とあってバスやタクシーの運転手さん達も活気づいているように感じた。
乗り合いタクシーで広河原に向かう。
同乗者の中には北岳登頂200回超えという凄い人もいた。

広河原で身支度を整え出発。北岳~間ノ岳もよく見える。
大樺沢分岐からは時々雪渓が現れたので、道迷いに注意する。

小太郎尾根分岐に出る頃には朝の青空はなくなり、ガスが出てきた。
稜線はキバナシャクナゲが見頃で、登山道の両脇にクリーム色の群落が続いた。

肩ノ小屋に近づく頃、遠くから雷鳴が聞こえてくるようになった。そして北岳山頂はガスと雨と風の三点セット・・何も見えなかった。

少し休んでから八本歯のコル方面へ一旦下る。

キタダケソウはどこかな?どれかな?と目を凝らしながら歩いていると、八本歯のコルとの分岐にさしかかる頃からお目当てのキタダケソウが咲いていた。
初めて見るその花は純白で葉は深い緑色、どこか素朴な印象を受けた。
似ていると言われるハクサンイチゲがとても都会的でスタイリッシュな花に見えてくるから不思議だ。

開花時期も他の花々に比べると早いようだ。
君たちはみんなが咲く前にそっと咲くんだね・・花はトラバース道の岩場に集中して咲いていた。会えてよかった・・

北岳山荘の周辺は積雪が2m以上もあった。
今年は雪消えが3~4週間も遅いそうだ。

天候が良くなる兆しがないので、間ノ岳へは明朝行くことにして、ストーブにあたりながらくつろぎ、自炊室で夕食を摂り早目に就寝した。

 6月26日
ご来光を期待して午前3時すぎに出発。
星空から刻々と赤く色を染めてくる空に目を奪われなかなか前に進めない。
なんとか間ノ岳での日の出に間に合った。

山頂は360度の大展望!目の前に広がる富士山が大っきい。
すごく贅沢なロケーションだ。
北岳・甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳、そして塩見岳まで繋がっている長大な仙塩尾根、そのまた先に続く南アルプスの山々・・すべてが見え至福のひと時だった。

小屋に戻り身支度を整え下山開始。
ルートを変更して大樺沢を下ることにした。
青空の下、もう一度キタダケソウを愛でる。

八本歯のコルはよく整備されているが、とても急で上るのは大変そう・・途中、バットレスの大岩壁を仰ぎ見た。
結構下ってようやく大樺沢雪渓に下りた。
雪渓は快適な歩きだった。

大樺沢分岐でアイゼンを外していると、100人超えの高校生たちが一列になって上ってきた。
その光景は圧巻で、思わず昨日同宿じゃなくてよかったぁ・・と思う。
高校生たちを見送ってから登山道を下る。
行く時には気づかなかったミヤマハナシノブが沢筋に咲いていて、淡い紫色が印象に残った。

昼頃には広河原に到着。
すでに山頂付近はガスに覆われてしまっていた。
乗り合いタクシーで芦安に戻り、駐車場近くのお風呂で汗を流し帰路に着いた。

今回2度目の北岳・間ノ岳だったが、6月は初めてで、お目当てのキタダケソウや素晴らしい展望に会えてとても心満たされた山行だった。
同行して下さったAさん、ありがとうございました。