2014/7/26-28 裏銀座縦走 「烏帽子~野口五郎~鷲羽~双六」

    メンバー : OS (記)、+1

7/26 かねてから狙いのコースにワンウェイルートで挑戦。高天ヶ原温泉はまたもおあずけ。4:25出発。もう空が明るくなってきている。7:40七倉駐車場に到着。けっこう車がある。タクシーに乗り込むと単独の同乗者がおり、料金が半額になった。

8:10高瀬ダム到着。いい天気。ダム堤体の端の展望台から槍のわずかな穂先を見てすぐにトンネルに入る。しばらく河川敷を歩き、ブナ立尾根の登山道に入る。天気が良くて暑いが、樹林の中でだいぶ助かる。3回ほど休憩し、12:15烏帽子小屋に到着。小屋前には、登山者が大勢いた。これから野口五郎小屋へ出発するところで、少し羨ましかったが、我々には無理だった。

受付後、烏帽子岳をピストン。尖った山頂で、休む場所はないし写真も撮れない。脱水状態で二人ともバテバテで小屋に戻る。烏帽子小屋の夕食の天つゆにつけて食べる天ぷらが最高にうまかった。

7/27 青空ものぞく中、5:45小屋発。風があり予報は雨。三ッ岳が見えるがいつまでもつことやら。稜線を進むと風は一層強くなる。三ッ岳の山頂がどこだかわからない。砂漠のような砂地にコマクサがきれいで、ハクサンイチゲもすごい風になびいている。風速にして20m以上か?耐風姿勢を取りながら

進むとようやく、8:00野口五郎小屋へ。風下の軒下で、態勢を立て直す。
この先の真砂岳~水晶小屋のやせ尾根でさっきみたいな強風だと、非常に危険と思いながら歩を進めるが、徐々に強風が和らいできた。雨は相変わらずだが、風が強くなければ何とかなる。

何も見えない雨の中、黙々と歩き、風下斜面で休憩。体が冷え体力も落ちてきているので、エネルギーを補給する。その後間もなく10:20水晶小屋に出た。相棒は水晶岳に興味ありげだったが、空身のピストンでも、今の体調と天候状況で1時間以上の加算は、危険を感じたので先に歩を進めることを選択する。 ワリモ北分岐までは、前回も悪天候の中であり、下り基調で楽ではあるが、どこに向っているのかわからず不安の歩きを続けると、ようやく分岐に到着。鷲羽岳を迂回するコースを提案すると、一喝される。よほど、水晶・鷲羽に登りたいようだ。そこに後続の単独男性が、なんの躊躇もなく鷲羽へ登り始める。単独男性に続く。

相変わらずの小雨の中、風は弱まってきたが、視界もなく憂鬱になりながら11:40山頂に到着する。すると雨はいつの間にか止んで、所々ガスが切れて雲の平方面が見えてきた。喜んで写真を撮り始めると三俣山荘や他の山々も徐々に見えてきた。素晴らしい。良かった。山頂に来て本当に良かった。この時ばかりは感謝した。下りでは、登りの時の憂鬱な気持ちとはまったく逆に、晴れ晴れした軽い足取りとなり、天気が変わるとこんなにも気持ちも変化するのかと驚いた。

遥か下方の三俣山荘を眺めながら、また振り返ると青空を背景にきれいな鷲羽岳の山姿を愛でながら降りる。12:55山荘に着き2階の喫茶室でコーヒータイム。巻道を行くつもりでいたが、天気が良くなってきたので三俣蓮華岳を目指す。振り返ると、どんどん鷲羽の景観が良くなってくる。

14:20三俣蓮華の山頂では、素晴らしい眺めが待っていた。これだ、これだ、これが夏山の縦走の北アルプスの絶景だ。感無量である。黒部五郎・薬師・水晶から赤牛の稜線、後ろには槍~穂連峰、笠ヶ岳、その右の遠くに白山と、すべて見渡せる。

写真を撮りながら、感嘆の声を上げる。今朝からの風雨の忍耐行軍が嘘のようだ。アルプスパノラマを満喫し双六岳へ向う。稜線沿いも花があり、写真を撮りながらで、なかなか進まない。うれしい悲鳴の瞬間である。ガスに見え隠れする槍を写真に納めながら、双六小屋に急ぐ。 16:30小屋に着き、外のベンチで待望の生をいただくが、寒くて小屋の談話室に逃げ込む。夕食で、鷲羽の山頂で一緒だった青年から日本100高山の話等も聞きながら、楽しい夕食となった。

7/28 朝食は4時30分。今日は朝から天気が良く、最終日を飾るべく颯爽と5:25出発。テント場はそれほど多くはなかった。後ろの鷲羽と双六小屋を振り返りながら、緩やかに笠に通じる稜線を進む。稜線に飛び出ると、槍穂連峰が眼前にドーンと出現する。逆光だが素晴らしい。また、稜線上にはお花畑が点在。笠ヶ岳方面は、順光で緑と雪の白が映えて素晴らしい景観である。新穂高温泉発のバスの時間が気になるが、写真を存分に撮りながら進む。花見平に名残りを惜しみ、弓折分岐から下りに入る。

7:15鏡平に着くと、例の若者が手を挙げて迎えてくれた。うれしいものだ。何人かが休憩しているが、我々は鏡池に急ぐ。槍・穂高は逆光だが、池の水面にきれいに映り、なかなかきれいな写真が撮れる。高さや場所を変えて撮りまくる。
どんどんと一目散に下る。笠ヶ岳方面の緑と残雪の白がきれいな山並みと槍穂のシルエットが徐々に見えなくなり、一抹の淋しさを感じる。

いつの山行でも同じような思いがするが、今日は特別にその感が強い。長い林道を歩きようやく10:05新穂高温泉へ。バスで松本駅へ、汽車で大町まで移動し、駅からタクシーで15:20七倉温泉Pへ。楽しい山行が完結となった。