2014/8/13-14 槍ヶ岳 北鎌尾根

    メンバー : HR

槍ヶ岳北鎌尾根へ、お盆休みを利用して13日~15日の二泊三日の予定で行ってきました。

部活で登山を始めたばかりのころ、登山をする目的を考えた時期があり、山に登る他の人はどんな目的や気持ちで山に出掛けるのか、知りたくて手に取った本が新田次郎の「孤高の人」でした。

小説の中の加藤文太郎は人付き合いが苦手で、周りに疎まれながらも山に仕事に一生懸命で好感のもてるキャラクターでした。 その加藤文太郎が遭難したのが冬の北鎌尾根というのは有名な話ですから、ミーハーな私はご多分に漏れずこの岩稜に憧れていました。

前日の19時頃、新潟市を出発して、0時頃に新穂高ロープウェイ駐車場に到着して車中泊、翌朝5時に登山を開始しました。 単独でしたが、お守りのつもりで持ってきたロープなどの登攀道具を詰め込んだザックが重たくて、13時頃、槍ヶ岳肩ノ小屋に着くまでに体力を使いました。 そのせいか、高山病か、その晩は頭痛に苦しみました。
おまけに夜半ごろから雨がぱらつき始め、下山すべきか悩みましたが、大荒れはないと信じて結局行くことにしました。

朝3:30に肩ノ小屋テン場を出発。 歩いているうちに頭痛もおさまり約1時間で水俣乗越に到着。
ここから天上沢側のザレた斜面を1時間下ると水量の多い間ノ沢、次いで水量の細い北鎌沢出合に辿り着きました。

北鎌沢出合には特に目印はないのですが、人がテントを張った痕跡が多いのでわかりました。
この沢をさかのぼり、途中で右俣へ入り尾根上の北鎌沢のコルまでブッシュ気味の急登を登ります。

天狗の腰掛からの独標
天候はガスがかかり展望はありませんでした。
30分ほど歩いて天狗の腰掛(9:00)という比較的広い、休憩に良さそうな場所に出ます。

ここから先は、踏み跡のようなそうでないような、ケルンのようなそうでないようなもの、に騙されて道を何度も間違えたりしながら独標の基部を巻き、展望もないのでひたすら岩尾根を槍の穂先手前まで3時間ほど歩きました。

最後にチムニー状の部分を抜けて少し歩くと槍の穂先に到着しました(やはり展望は無し)。

テン場に戻ってきた時点で13時、まだまだ体力に余裕が感じられたので、天候がさらに悪くなる前に高度を下げ、あわよくば下山してしまおうと、とりあえず槍平小屋を目指して出発しました。
ひたすら歩いて結局、日が沈んだ19時に駐車場に下山しました。

本来ならば会山行パーティーと涸沢で合流する予定でしたが、計画を二転三転させてしまい、ANさんには迷惑をかけてしまいました。 また、2日目は北鎌を歩きそのまま下山するという無理をしてしまい、下山後に体調を崩し、小説の主人公のようにはいかないなと、少し自虐的にもなりましたが、あこがれの岩稜を歩けて、今年の8月の山は満足してしまいました。