2015/4/4 「会山行」日向倉山ムーンライト山行

    メンバー : (L)ON、TT、KN、Hさん(会員外)

    銀山平18:35・・・稜線19:30・・・日向倉山20:55~21:15・・・銀山平22:55


  皆既月食の空の下を闊歩する ・・・・ ON

以前のムーンライト山行の記事でも書いたが、『 残雪期・満月・晴天 』 この3要素が全て満たされる日はそう多くはない。
しかも、今回は更に皆既月食である。これはもう一生に1度あるかないかである。
ならば少しでも晴れ間の出る天気予報であれば、行ってみるしかあるまい。

昼間、駒ヶ岳に登ったというKさん、Hさんと登山口である銀山平のトンネル出口で落ち合い、まだ明るさの残る午後6時半過ぎ出発。

今シーズンの大雪のせいか、昨年、同じ時期にあった駐車スペースもなく、高い雪の壁ができていたが、登り口部分だけは斜めに除雪してある。

登るにつれ、夕暮れ迫る西の山並みに駒ヶ岳の白い山肌が見え、この尾根の展望の良さに改めて感動する。

雲は広がってはいたが、青空の部分も多く天候悪化の兆しは見られない。

いきなりの急登を、とても昼間駒を登って来たとは思えない速さで登って行く2人。そのあとをマイペースで登るTさんと私。

今夜は山頂を目指すというより、夜しか味わえない景色や月や星を愛でながら登る。
そう、風流を楽しみながら、「登る」というより「歩く」のだ。
ハアハアゼーゼーでは、風流も何もあったものではない。

急登をゆっくり登って行くと東の空から満月が姿を現してきた。
まだ欠けてはおらずムーンライト山行の開幕となる。稜線に出ると、なんとなく満月の下の方が暗くなってきたように感じるが、時折、雲に隠れてはっきりと確認は出来ない。

緩い稜線上をスノーシューで進んでいけば、その歩調に合わせるかの様に次第に月が欠けてきた。
流れる雲間から現れるとその歩を止め、一同見入る。
9時頃には皆既が始まり、それまで月の明かりで見えなかった星々がいつもの輝きを取り戻していた。

第2幕、スターライトウォークの始まりである。
月明りに照らされた山々はものすごく幻想的で何か出てきそうな(お化けとは違う)錯覚を感じる。
方や満天の星空の下では天空に吸い込まれ、自分も宇宙の一員になるかのような錯覚を覚える。
何れも澄み渡った空で山々が白い衣を纏っている時期でなくてはならない。

「星明りの下を歩くのもなかなかオツだなぁ」などと思いながら日向倉の山頂に着けば、南東の空に赤銅色と変化した満月が浮かんでいる。

今後の天候も心配だし、暗い満月ではお月見気分にはなれず、20分ほど休んで下山に向かう。
下山時、今度は登るときとは逆に、段々と月が元に戻り、下山した頃にはすっかり元の満月に戻っていた。

図らずも、月食と波長の合った不思議な山行だったが、ムーンライト山行は、やはり明るい満月が輝く夜がいいな。

  待ち焦がれていたムーンライト山行 ・・・・ KN

送られてきた計画書にはワクワクする言葉が散りばめられていた。
当初天気予報が芳しくなく半ば諦めかけていたが、前日に晴れ予報に変わった!やったぁ~!
これもOさんの晴れ男パワーか?とりあえず駒ヶ岳の山行をHさんと終え、銀山平でOさんとTさんを待った。

昼間は夏のような青空だったが、夕方になると少し雲が増えてきた。不安な気持ちが横切ったが、OさんのGOサインで心を決めた。 赤崩山への尾根を上っている時、雲の切れ間から満月が顔を出し、思わず「おぉーっ」と感激の声が出た。「風流を楽しもう」とOさんから声がかかる。まったくそのとおりだ。うんと楽しもう!

稜線に出ると皆既月食の天体ショーが始まった。時々歩みを止めて月や星や山を眺める。Oさんが星座の話を聞かせてくれる。欠けてくる月は赤みを帯びている。なんて神秘的な光景なんだろう!

途中クラックの多いトラバース斜面が出てきた。風も強く、昼間の山行の疲れも出てきて帰りたくなったが、気持ちを奮い立たせ、やっとのことで日向倉山に着くことができた。

広い山頂でちょうど皆既月食を迎えた。祝杯を挙げてからみんなで空を仰ぎ見ると、あまたの星が輝いていた。漆黒の闇に包まれていると、この世の果てにいるような気持ちになった。

往路を戻ると同時に月の明るさも戻ってくる。気持ちもあの世から帰ってきたような、生きてる心地になった。赤崩山分岐で最後にゆっくりと月を眺め銀山平に下りた。急下降はもうヘロヘロで足がつりそうになった。

下山後、トンネル内での酒宴の中でTさんがお抹茶を立ててくださった。裏千家流の作法を教えていただきながら頂戴するお抹茶とお菓子はとても美味しかった。

Oさん曰く、残雪期の満月の日に晴れる条件が揃うことはなかなか難しいのだそうだ。皆既月食という天体ショーが加わったこの日はとてもとても幸運で、お月見とお茶会という優雅で心に残るひと時を過ごせました。
みなさん、楽しかったです。ありがとうございました。

  皆既月食 ・・・・ TT

2日前まで予報は曇りのち雨。だめかなぁって半分あきらめていたら、予報が変わり。ラッキーでした!
18時半過ぎに登りだした頃、丁度月ものぼり、雲に見え隠れしながらも強い月光で、荒沢岳、駒ケ岳の稜線がくっきり。
かっこよかったなあ。星も満天で、天体少年のおかげで(Oさん)解説付で楽しめました☆

19時15分頃から部分月食が始まり、20時56分ごろから約12分。地球の影に隠れ、うす赤い月が。

山頂で隠れ、だんだん満月に戻っていく様を見ながら下山という天体観測ショー山行でした。

下界でずっと、約3時間のこのショーをずっと見てるなんてことはないと思うので、歩きながらのこの体験はかなり贅沢なものでした。

広くて歩きやすい尾根でしたし、夏道はなく、絶景そうなので、雪のあるうちに昼間も行ってみたいと思いました。