2015/5/1-3 鳥海山スキー三昧

     メンバー : OS、他1

5/1  山スキーを始めてから、念願だった鳥海山スキー。6:25出発。三条付近は、代掻き・田植えの最盛期。これからスキーをしようというのに、暑くてエアコンON。11:05湯ノ台口の最終地点路肩駐車場着。車は15台ほど。

太陽が真上で暑い。スキーを担いで出発。さすがに2泊分の食糧と寝具にスキーは重い。30分ほど車道歩きの後、スキーを装着する。荷も軽くなり、足元も安定して歩きやすい。
残雪期のルートを知らないので、荒木橋を渡り夏道沿いに登る。1時間ほどで、夏場の終点駐車場に到着。天気は良くて、視界良好にもかかわらず、目的の滝の小屋がなかなか見つからない。GPSを見てもわからない。不安を抱きながらさらに登ると、左側の藪の向こうにあった。積雪期はわからないものだ。

小屋に入ると人影はない。寝るスペースを確保し、急いで滑走準備をする。
まずは、正面の斜面を登り、1時間ほどで月山森に到着。

黄昏時となり、小屋までの1本を味わう。
広々した斜面を広大な裾野を見下ろしながら滑るのは、最高に気持ちがいい。上手い下手ではない、心地よい快感。
リフトという動力のない素の世界。これだから病み付きになる。

と、思っていると後半まったくスキーが滑らなくなる。どうも“今年はやりのブナの油分”が付着したせいらしい。
小屋に帰りスクラッパーで滑走面をけそぐと、ボロボロとアカのように汚れが落ちた。ワックスを塗って翌日に備える。
広々とした吹き抜けのある快適な小屋であるが、他に誰も来ない。結局今夜は、贅沢にも貸切りだった。

5/2 今日も天気は良好だ。朝早い時間は雪がまだ固いかと心配したが、6:30出発時にはもうそれほど固くなかった。
今日は、山頂を目指す。中腹まで登り、山頂方面を見渡すと、雪がつながっていそうなルートは1本のみ。
地元の人の話では、例年より雪解けが1ヶ月近く早いらしい。
右へ右へと、登りとトラバースを繰り返しながら進む。途中、約3mと10mの藪漕ぎを通過。そして、山頂に続く1本の細い残雪に入る。

もう1週間でここも完全に雪が途切れる。今が賞味期限の最後だった。
下から見た予想通り、雪の終点からわずか20mほどで外輪山の登山道に出ることができた。スキーを背負い夏道を進む。
新山(山頂)との分岐で休憩する。祓川方面に1本滑りたいので、七高山に向かう。
その山頂は、祓川からのスキーヤー・ボーダーで大勢の人だかりである。下を見下ろすと数珠つなぎのように大勢登ってくる。
まるで蟻の大群が這い上がってくるかのようだ。湯ノ台方面と違ってすごい賑わいだ。

右方向の人のいない斜面を滑る。斜度もちょうど良く雪のザラメ具合もいいので、とても気持ちがいい。
雪がきれいで縦溝もなく誰もいない大斜面を独占。これ以上の快感はない。

緩斜面になる所でやめて、1時間の登り返しで稜線に戻る。
スキーをデポして山頂をピストンする。
新山は岩峰群の根元が雪に埋まり、夏場の装いとは違って新鮮な感じがした。

千蛇谷の様子を見ながら外輪山を戻る。稜線直下からのお楽しみ滑走であるが、最初は狭い廊下状をボーゲン気味に降り、広い斜面に出てから楽しい滑りを堪能する。
うん、いい、やっぱりこれだ。これが、あこがれていた鳥海春スキーだ。満足以外の何物でもない。

小屋に戻ると大勢の人がいたので、2階の個室に移動する。団体の中には、現小屋番さんと前小屋番さんもいて皆さん常連のようだ。
焼肉や色々な野菜等を調理し、おすそ分けをいただいた。昨夜とはうって変わってにぎやかで楽しい一夜となった。
自分は、先に寝てしまったが、その後山男達が山の歌を歌い大いに盛り上がったという。

5/3 鳥海最終日。月山にも行きたいと思ったが、移動時間がもったいないし、何より鳥海には滑る斜面が沢山ある。
文殊岳方面に足を伸ばす。
6:30出発。月山森を右方向にトラバースして直上する。
文殊岳直下の夏道登山道着。ここからの山頂や千蛇谷の景観もいい。

1本、二の滝方面に滑る。鳥海湖・日本海を望み、青空の下での山スキーは最高である。
大雪渓の斜面からのロングコースは、昨日に続き滑りごたえがあった。
今日も天気に恵まれ、気持ちの良い滑走ができた。

小屋に戻り荷物をパッキングして、昨夜お世話になった常連さんに別れを告げ、名残惜しい滝の小屋を後にする。
下降路は、教えてもらった宮様コースを下る。ぶなの油分でスキーがまったく滑らない。
赤いテープを追いながらなんとか車道に到着。駐車場の車は、30台近くに増えていた。

鳥海山荘で汗を流し、屋外のテラスで鳥海山を眺めながら遅い昼食をいただく。ああ、鳥海はなんて素晴らしいんだろう。
雪が少ないと言いながらも十二分にスキーを堪能することができ、満足感に浸りながら岐路に着いた。