2015/5/8-10 立山 山スキー

     メンバー : OS、他1

5/8 R253から上越へ。山の新緑と藤の花の薄紫が映えて美しい。
立山駅に着くと、平日のせいか空きがあり、しばらく振りに駅前Pに停めることができた。 12:00室堂を出発。
観光客の喧騒から早く逃れたい。地獄谷の火山ガスのせいで雷鳥荘周辺の雪は真っ黄色に染まっている。
雷鳥沢までの下りは、雨による縦溝の凹凸が激しくて大変滑りづらく、今回立山に来たのが失敗だったかとやや後悔の念。
さすがにGWも終わったため、雷鳥沢のテント場には十数張りしかない。

御前小舎手前は雪がなく、100mほど担ぐ。早く剱の雄姿を拝みたい。幸い、別山・剱御前方面は青空が広がってきた。
待ちきれない思いで、急ぎ足に剱沢入口に向かう。
剱の峻厳な姿があった。美しい。
残雪期の姿も、白と黒と青のコントラストに適度なガスも流れ、否応なしに人差し指がシャッターを押しまくる。

荷物を小屋に置き剱沢を1本滑走する。
キャンプ地の平坦地の手前でストップ。
剱岳を正面にしての滑走は、何とも言えない気分の良さ。
雷鳥荘付近とは違い、ここは縦溝がほとんどない。気持ちの良い滑走ができて満足。小屋に戻り夕食とする。

5/9 天気予報が悪い方に変わり、風が強く芳しくない。部屋から2羽の雷鳥の戯れが見えた。
徐々に霧が濃くなり、吹雪模様となる。残念ながら停滞とする。小屋での停滞だから快適だが、何もしないでいるのも退屈である。漫画を読んだり、山行記を書いたりして、天候の回復を待つ。

午後~夕方の回復の期待もむなしく、風はピューピュー。この風の中でも20人近くが小屋まで登ってきて驚く。
ほとんどがガイド付きとのことだが、この風雪で登ってくるとはたまげた。
この稜線は風が強いが、室堂や雷鳥平のあたりはそれほどでもなかったのだろうか。

結局、風は収まらず、視界も悪いままで、まる1日の停滞となってしまった。
高校山岳部の夏合宿の八ヶ岳縦走以来の停滞と思う。
忙しい毎日、仕事や下界の諸々に追われ、何も拘束されず、何もしないでいい、自由な休息日ってなかなか取れない。
そういう意味では、貴重な1日だったのかも知れない。
もちろん予定通り、真砂沢のスキー滑走をしている方がいいに決まっているが。

5/10 今日も、あまりパッとした天気ではないが、風は昨日ほどではなく視界もあるので、小屋の宿泊者は多くの人が出て行った。我々も予定通り、真砂沢を目指してスキーを背負う。
しばらく振りの別山に到着。しかし、雪は昨日の風雪で、ガリガリのアイスバーンになり、急斜面は怖くて滑れそうもない。

真砂沢を見下ろしても、雪が少なくて部分的につながっていない所がありそうだし、少し下ることにする。
いい加減に滑れそうだろうと思って、スキーを履いたら、なんと超アイスバーンで、短い急斜面も怖くて降りれない。

結局、鞍部まで降りてみたが、この雪の固さでは登り返しも大変そうなので、今回の一番の目的である「真砂沢滑走」を断念することにした。また、別山に登り返す。
山頂に戻らないでトラバースするルートもあるのだが、この固い雪面のトラバースは、命取りになりかねない。

いさぎよく山頂経由で御前小屋に戻る。時はすでに10時過ぎ。
この3時間は何だったのだろう。
無駄な時間ではあったが、雪面が緩むには必要な時間でもあった。恐る恐る剱沢を下る。

1本目は、エッジが流れて、滑りはいまいち。
登り返して、2本目を滑る。
剱岳も見えるようになり、少し青空も出てきて写真も撮りながら、もう1本。
剱岳を眼前に見ながら、いい雪質になり気持ちよく滑れて満足。

小屋に戻り、荷物をパッキングして、雷鳥沢へ向かう。
剱沢に比べて、雪が重くて雪面が荒れているので、かなり滑りづらかったが、なんとか最低鞍部へ。

ブルドーザーの物資運搬トレースを辿り、室堂へ戻った。
計画の半分も滑れなくて、大変残念な山行となってしまったが、剱岳を拝みながら気持ち良い滑りができたので良しとしなければいけない。狙っていた真砂沢とタンボ平は、次回の宿題ということにしよう。