2015/9/19-22 葛根田川~裏岩手山縦走

      メンバー : (L)ノリ、KN、TT、NY
      天  候 : 全日晴れ


      19日  13:00 越路IC===高速道路---21:30滝ノ上温泉
      20日   6:00 休憩所発・・・7:00 入渓・・・9:20 大石沢出合・・・
10:15 葛根田大滝・・・11:15 滝ノ沢出合・・・14:40 湿原・・・14:50 八瀬森山荘
      21日   6:50 出発・・・8:10 大深沢出合・・・10:00 ナイアガラの滝・・・
10:30 三ツ俣・・・14:00 奥の二俣・・・16:40 登山道・・・17:00 大深山山荘
      22日   6:00 出発・・・8:30 三ツ石山・・・11:30 滝ノ上温泉==--22:30 越路IC帰着


人生の宝は思い出。中でも山での思い出は私の心の中のしまいどころが違う。
葛根田川の山行もそこにしっかり入り込んだ。

19日
越路インターから522km走り、3県を通り滝ノ上温泉へ。
しとしと雨の中、丁度良い休憩所があり、前夜祭と仮眠を取る。夜中、休憩所の主のカエルちゃんがピトッと顔の上に乗っかったりして恐ろし可笑しかった。

20日
予定通り6時スタート。珍しい地熱発電所のパイプを見ながら林道を進む。藪が濃くなっってきたので丁度いい所から入渓。
先の堰堤を越えるために渡渉するが水流が強い。
堰堤を越えると葛根田川の幕開けだ。幅広の川が滔々と続いている。
次第にすり鉢状になってきて微妙な角度のへつりが多くなる。右へ左へルートを変えながら開放感あふれる沢歩きを楽しむ。

今日の行程は8キロ歩いて500mの高低差、推して知るべし。
右から枝沢というにはあまりにも立派なすだれ滝をもった沢を何本か通り過ぎ、ここはもしやお函?という場所に差し掛かる。
足元のすぱっと切れた岩の下には深い深いエメラルドグリーンの流れが美しい。
へつりへつり歩いていくと、大石沢の出合だ。

20日 大石沢を過ぎて
20日
大休止をとり、足元の青と少し色づいた景色の中を進む。
しばらく行くとやや左前方に葛根田大滝が姿を見せた。
巻かず行けそうだったが、ここは右の巻道を使う。
ひとつ滝を越えればナメ様の川底が広がる・・・その繰り返し。

滝ノ又沢との二俣は右の北ノ又沢に入り、しばらく進んでいくと突然20mほどの滝に突き当たった。どうも左へ入る「くの字滝」を通り過ぎてしまったようだ。引き返し、左から入る「くの字滝」を登り先へ進む。

1箇所、ロープを出した。ちょっとここは予想外。たぶん、右に巻き道があったと思うが半分登ってからの話。

大場谷地湿原へのつめは藪こぎもなくドンピシャ登山道手前に出た。登山道といってもうっすら道があるかな~程度。

湿原の草もみじと紅葉が幻想的で、5分も歩かずに今夜のお宿八瀬森山荘に着いた。ここは布団と安心感があり快適だった。
この日の沢は誰にも会わなかった。空のたくさんの星たちが明日の好天を連れてきてくれるだろう。

21日
朝もやのかかる大場谷地湿原を通り、関東沢へ。大深沢の出合までの下降となる。正に下降の沢という感じで少々ヌメった心配のない沢だった。

枝沢の出合にはいいテン場もあり、ここで地元のパーティーと出会う。今日の行程は一緒のようだ。時間差の出発で、この後会うことはなかった。

20日 沼ノ沢にかかる滝
大深沢に入りしばらく行くと、15mのナイアガラの滝。面白そうなルートが幾つかあるが、結局中央左よりの乾いたところがいいようだ。

その後10m程の滝でロープを出す。
20m滝は左から巻いて中央のバンドを右上できそうに見えたが、今日は巻道を忠実に行った。

更に続くナメ床を進むと、一気に100m高度を上げる連瀑帯だ。下から先まで見通せるのだが遠く感じる。

「骨が折れるの~」「滑るの~」と気合を入れながら、最後の二俣に着いた。右の湿原に方向をとり、そこでの勇壮な景色と色づく山々に何だかひと段落したような気分になったが、核心部はこれからだった。

東北の根曲り竹のご招待が2時間半続き、GPSやらコンパスやら減らず口やらすべて駆使して藪を漕ぎ、大深沢山荘に続く登山道に出た。

次回行く方は左俣を行ってみて欲しい。もし右にルートを取るのであれば、藪中に落としてきた私のストック拾ってきて下さい。

20日 エメラルドグリーンの淵を見ながら
20日
20日
20日 葛根田大滝
21日 大深沢最初の滝
21日 ナイアガラの滝
21日
21日 奥の二俣の湿原
22日 三ツ石山までの稜線
22日
22日 三ツ石山にて
22日 秋田駒と乳頭山
水を汲んで山荘に着くと、中は満杯で入れない。小屋周りに各自ツェルトを張り、宴会を始める。
乳頭温泉にいるIさんと電話が繋がり、人心地は酒に酔わせる。

3晩も一緒にいる仲間とは個性を受け入れる一体感がある。厳しいと思われる状況の時、一人ひとりが状況打開を考えてそれぞれの力を出しメンバーが認め合う、そんな積み重ねが信頼感を強くする。

尽きそうな酒を大事に飲みながら、暗闇の中でもみんなの笑顔が見えるようだった。

22日
今日は稜線歩き。地元の人が「ピークでしょう」という紅葉の中、岩手山を左手に秋田駒ヶ岳を右手に望み、東北の稜線を体中で感じながら歩いて行く。

小もっこ山からの稜線は真っ直ぐで展望がよく気持ちがいい。三ツ石山は人気で、次から次に登ってくる。

滝ノ上温泉に到着。
温泉をはしごして、のんびりドライブで家路に着く。
みんな、3日間お疲れ様でした。いい山旅をありがとう。
 ・・・・・ ノリ


まずは、4連休取得の奇跡と、発案者のKさん、リーダーのノリさん、うっかり参加してしまったNさんに最上級の感謝です☆

3日も山に入れること、年に数回あればラッキーな私にとって、共に過ごした仲間は後半戦は、家族のように思えてきます。

楽しいばかりでなく、苦しかったり、我慢があったり、困難を乗り越えたり、助けられたりすればその想いは更に倍増。

今回は、予想をはるかに上回る、総合すると、思い出し笑いができるほど、楽しく、想い出に残る山行でした。

初日の葛根田川~北ノ又沢は想像以上の穏やかで、たおやかな美しい沢でした。
しかし!まさかのロープ必要箇所が2箇所も><ひょえ~

でも、Nさんはひょいひょいと登るし、ノリさんも落ち着きながらしっかり登っていくので、お荷物の私がいるから面倒でごめんなさいって思ってしまいそうなのに、思わせないんです!

ノリさんは、不安そうな顔をしているとすぐ察してロープを出すのが当たりまえのように準備してくれるのです。

出す?来れる?などとは聞かれもしませんでした。自分達の練習にもなるって率先してやってくださるのです。

もしもの時に、プルージックも8の字もできない自分は危険分子だなって改めて感じました。反省しました。

いつもいつも人任せで、ルートファインティングももちろんできないし、地形図も天気図も読めない。未だに山行計画書すらまともに書けない。。できない子です ><

そして~!2日目

関東沢下降!私の中で沢を下降=懸垂下降←できない。。。どうしよう。。
ここが一番不安でした。が、そんな場面もなく、ホッと一安心。

そこからの~大深沢。ここがやばかったです。なにがやばいって、全てがハイライトってくらい見どころ満載の沢なんです。
ナメ床、滝、も~キュンキュンしちゃいますよ!笑

で、今日もありました >< ロープ必要箇所。

どうしてぬるぬるしているのにノリさんは登っていけるんだろうって、考えながら登るところを見てましたが、私は完全に頼らないと登れなかったので、せめてせめてもう少し足手まといにならないように登攀の練習もしよう!と思いました。

えー。そしてそして本日のメインイベントの藪漕ぎです!
Nさんのネット情報で、400メートルの藪漕ぎ。

えーーーーー!!><そんな藪漕ぎしたことない私にとって、私よりも背の高い密集している根曲り竹の藪に入った瞬間、「うそでしょ」苦笑。って思いました。

でも、うそでもなんでもなく、しばーーーらく、最初のうちは頑張って、Nさんのすぐ後に行けばまだ辛くないんだって思いながら進みました。

たまに見失うと全く前に進めなくなったり、何度も「もうやだーー!」って叫びそうでしたが、だーれもそんなことは言わないので私も我慢してました。

しばらくして、GPS確認すると、登山道と平行移動&あと600メートルはあると。

「えーーー!!増えてるし><」本当に到着するのか不安でしたが、時間がまだ15時だったので16時には出れるよねって思ってました。

しかーーし、そこからがまた長かった。。。藪はビシバシ跳ね返って痛いし、痛っ!痛っ!って叫んでいるのは私だけ。みんな強い。。

思っていても口に出さないのはカッコイイ。だって、からだの青あざと手足の擦り傷と打ち身、顔も指も切れてましたよ~><。

恐るべし藪!Nさんなんて目を突かれたみたいで、ずっとウサギちゃんの目でしたし、ノリさんは、ポールをもっていかれ、くっそーー!藪めーー!ってずっと叫んでました。

出れたのは16時半。ほんとは出た瞬間ハイタッチしたいくらい嬉しかったけど、Nさんに「イエーい!」ってハイタッチするにはまだ恥ずかしさがあり(笑)、続いて出てきたKさんに片手タッチ、ノリさんにかるくハイタッチして、良しとしました^^

あんなに嬉しかったのは久しぶりです。

夜は、小屋は溢れかえっていたので、各自ツエルトでした。
冬用のシュラフは非常に暑く、全く眠れませんでした。

怖がり(お化けも動物も、風の音すら、、)の私はツエルトで寝るのは、やっぱり向いていないな~と、強く感じました。が、外で寝る自然に包まれている感は好きです。
絶対に襲われない(動物とお化けに)のであれば外がいいです。

残念ながら、最終日です。今日帰らなければなりません。とりあえず今日だけでもお風呂に入れて酒もあれば、あと何日でも居たいです。

私はお風呂に入らないのは3日が限度かもしれません。なんてくだらないこと考えながら朝ごはん食べました。

稜線歩きは、これまた紅葉がドンピシャで、これまた歩きやすい素晴らしい稜線で、この山行の日程と場所のドンピシャさに、バチがあたるのでは??と勘ぐってしまうほどでした。

総合すると、人には役割があります。
が、私は、全くなんの役にも立てなかったので、少しづつでもいいから何か自信をもってできることを、ひとつは身につけようと思いました。ですが、その前にまずは最低限のことですね。

ツエルト張りとプルージックと8の字!たぶん、今回で覚えたはず。。です。

課題は山積みの迷惑野郎ですが、皆さま、これからも宜しくお願い致します。 ・・・・・ TT

長い運転とリードのノリさん、終始元気に盛り立てるTさん、GPSナビのKさん、皆様のおかげで長年の憧れ葛根田川を歩けました。ありがとう。 ・・・・・ NY


私の今年の山のテーマは『縦走』です。

南アルプスと裏岩手山脈の2つを柱に考えていたところ、9月の会山行計画者になり、みちぐさのみんなと行くなら沢旅がいいな・・・と計画を始めました。

どんなところを歩こうか・・・と考えている時間はとても楽しいです。

葛根田川~関東沢~大深沢は高桑信一さんの記事を参考に、ノリさんの沢と沢と沢を繋ぐ縦走がしたいという言葉で決めました。
そこに自分が歩いてみたい大深岳~小もっこ岳~三ツ石山の稜線歩きを加えました。

お天気とメンバーに恵まれ、自分ひとりでは絶対に成し得なかった山行を終えることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

1日1日が変化に富み、沢と山のなかにどっぷりと浸かることができ、とても幸せな気持ちでした。
(浸かるといえば・・葛根田川には2回も全身を捧げてしまったっけ・・これも良き思い出です。)

 ノリさん・・・リーダー本当にありがとうございました。また、往復1000㎞を超える運転もありがとうございました。

 Tさん・・・4日間ずっと元気をもらいました。笑いが絶えなかったね、すごく楽しい時間をありがとう♪

 Nさん・・・Oさんから『八兵衛』役を仰せつかり見守り役に徹しながらも、ここは!という時はしっかりサポートしてもらい、安心して歩くことができました。
ありがとうございました。 ・・・・・ KN