2016/1/9-11 甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳

      メンバー : (L) NY、IM、KN


10年位前だったろうか・・・。
バスに揺られて北沢峠に泊まって、夏の甲斐駒と仙丈に行ったのは。
冬の南アルプスは果たしてどんな世界なのだろう・・・。
名前を「こもれび山荘」と改めた小屋再訪も楽しみに出かけた。

この冬は暖冬小雪で南アルプスも例外ではなかった。
車窓から眺める麓の景色はもう春みたいでなんだか気味が悪い。ただ日差しはあっても、空気の冷たさは新潟のそれとは大違いで、遠い地に来ているんだな・・・と思う。

戸台駐車場から丹渓山荘までは、戸台川の長い川原歩きが続く。 遠くに甲斐駒の尾根が見え、バスを使ったアプローチとは雲泥の差で、やはり南アルプスは奥深い山だと思う。

丹渓山荘からようやく尾根に取り付くのだが、これが急勾配で面食らう。
汗をかかないように、ジグザグに伐られた道をゆっくりゆっくりと歩く。
苔むした林を抜け林道に出ると、「こもれび山荘」はもうすぐだ。バスならなんてことない所を、何時間も難儀して歩いてきたのだから感じ方も違った。

小屋に入るとたちまち世界が変わった。
暖房で温められた内部でくつろいでいる人達・・・。
みんな最新のウェアを身にまとい、田舎者の私にはきらきらと眩しく、ちょっと場違いで恥ずかしい気持ちになった。

それにしても冬の営業小屋はありがたい。
小屋番の人たちも温かいかたで、そんな居心地の良さを求めて長いアプローチを歩いてくるのだろう・・・。
私達もそんな雰囲気に次第に馴染み、夜がふけるまで存分に楽しんだ。

2泊目の夜は一旦小屋閉めということで、ジャンケン大会が開催され豪華賞品が提供された。
新潟チームは一度も勝者になることができなかったが、長衛荘の名前が入ったバンダナをいただいた。

10日は風が強く、小屋番さんのアドバイス通り甲斐駒ヶ岳を選択。登山道の雪は少なかったが始めからアイゼンを装着した。

双児山までは一本調子の急登が続く。
私は体調が悪くてゆっくり歩いてもらう。

駒津峰を越え山頂下の六方石の鞍部からコースが二つに分かれる。私達は直登コースへ。
岩の上にアイゼンを乗せる時に滑らないように注意した。

帰りはトラバースルートを選択したが、直登コースの方が楽しかった。
山頂は思ったほど風が強くなく、快晴の空の下1時間ほども景色を眺めながらゆっくりと過ごすことができた。

11日は下山するので暗いうちに仙丈ヶ岳へ出発する。
5合目大滝の頭までは樹林帯の中だが、小仙丈ヶ岳からは風にさらされる稜線歩きとなる。

今日の条件は最高で風もほとんど気にならない。 ただ風が強い時はやや狭い稜線は危険な状態になるのだろうと想像できた。

山々が赤く染まっていく中、山頂をめざす。
夏のイメージとは違う静かで厳かな印象の稜線が伸びていた。
白く輝く南アルプスの峰を眺めながら5合目まで戻り小休止、小屋でパッキングをし直して、また戸台までの長い長いアプローチを歩いた。

今回の山行で学んだことは寒さと風です。
新潟に比べたら雪は格段に少ないですが、3000m級の山の寒さと風は全く別物だと感じました。
厳しい条件下での甘い考えは許されないのだと思いました。
                   ・・・・・KN