関越自動車道を、沼田を過ぎると、右手に端正な山が見えてくる。中腹にぽこんと黒く獅子岩(大黒岩)、山麓に大きく突き上げる屏風岩が見える。これが子持山である。子持山は、古い円錐火山で山頂を周囲の尾根が子供を抱いているように見える形から名付けられたという。日本武尊が創建したという子持神社は、子育てや安産の守り神として信仰を集め、江戸期には大乗院という修験道の霊場であったという。
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黒々とした屏風岩 |
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子持山山頂 |
子持山は、以前冬に来たことがあった。舗装された林道が一面凍結していて、車をだいぶ手前に停め、つるつる滑る林道を恐る恐る歩いた覚えがある。登山道も所どころ凍結していたため、高さ100mという屏風岩と獅子岩には登らなかった。今回、その屏風岩と獅子岩に登ってみたいとやってきた。屏風岩は登山口の近くにあり、黒々とした巨大な岩で、マグマが固まったものだという。残念ながら雨が降っているので、今回もパスした。
登山道は杉林の中、沢沿いに進む。道はしだいに急登となる。尾根に達すると雑木林になり、獅子岩への分岐が現れる。分岐を左に登って行くと獅子岩に到達する。高さ7~8mの岩に鉄梯子と鎖がかかっていて、よじ登ると岩の上に石碑が立っている。360度の眺望がきくといわれるがガスで何も見えない。獅子岩の先は垂直に切れ落ちていて、ガスのため下は見えない。分岐に戻り雑木林の稜線を登って行くと、浅間から来るコースと合流する柳木ヶ峰に達する。柳木ヶ峰から20分ほどで子持山山頂に到着。雨が上がり真上に青空が出てきたが展望はきかない。登山口から2時間40分だったが、けっこう急な登りであった。山頂の一等三角点の周りは樹木があり、果たして見通しが利くのだろうかと疑問に思う。
1時間ほど缶ビールなどを飲みながらのんびりと過ごして下山にかかる。柳木ヶ峰から右の浅間コースを下りる。大タルミまで急斜面に張られたロープが続く。大タルミから左に入り、杉林の中の緩やかな道を下山して行くと林道終点に着き、登山口の駐車場に戻る。駐車場に数台の車が停まっていた。下山は山頂から1時間40分であった。
入浴は高山村の道の駅「中山盆地」内の温泉に入る。青空が広がり、子持山がくっきりと見える。今日は運転手がいるため、湯上りに美味しく生ビールを頂く。帰って塩沢でラクラクと、ハッパキヌキをしようという話になり帰路についた。 ・・・・・OSe