2021/9/12 中ノ岐川灰ノ又沢支流 花降沢~裏荒沢下降(会山行下見)

メンバー:(L)NY、FY、HS

コースタイム:3:30湯之谷道の駅 ~ 4:30雨池橋出発 ~ 5:30灰ノ又沢橋入渓 ~
        6:20花降沢出合 ~ 9:35花降岳稜線 ~ 10:00下降 ~ 11:10裏荒沢幕営地 ~
          15:20灰ノ又沢橋 ~ 16:10雨池橋 ~ 17:10湯之谷道の駅


5:28灰ノ又沢橋入渓
5:32
5:53
5:56
5:58
6:13
6:22花降沢出合
6:34
6:36
6:57
7:18
7:19
7:20
7:42
7:55
8:14
8:46
9:07
9:38花降岳稜線
銀山湖
花降岳山頂
燧ケ岳方面
荒沢岳方面
9:50
越後裏三山。中、荒、駒
ヤブを漕いで裏荒沢に
10:00下降開始
10:54
11:14幕営予定地
幕営予定地手前の二股
11:50裏荒沢下降中
12:00
12:05
12:20
12:23
12:35
13:12
13:12
15:50





【記:NY  ― 花の降る渓 荒沢岳の裏側へ 会山行の下見から ―

華やいだ名称だが渓相には関係ない。銀の精錬に関する用語で、その純度の高さを称えた形容で
あることはよく知られているが、地元の古老と語らうまで物知らずな私は誤解していた。

奥只見はその深さゆえ、現実以上の想念を託しみたくなる閉ざされた異界の領域だ。
ゆえに虚実こもごも、伝説が旅情を誘い、山の彩りそのものの様に生きのびている。
銀鉱を見つけた源蔵さん、藤原山は尾瀬三郎との関わりか、灰の又は渓魚のハヤからきているのか、
灰吹は精錬のフキガラなのか?

湖の底に消えていった浪拝温泉、尾瀬三郎の奥方の守り本尊にゆかりの虚空蔵岩。
袖沢南沢の大滝と側壁は黒いのに白石沢のスラブはなぜあんなに白いのか。
須原口から大熊峠を越えて白戸川にのびていた仕事道、会津駒を越えて袖沢に続いていたゼンマイ道。
桧枝岐の出作り、宇津野の人々の開墾。

それらひとつひとつを地元の古老から聞く機会が急激に消えようとしている。
それでも往時を知る人々との語らいは、山を歩く上での最も大きな楽しみだ。
文献を漁るだけでなく、やはり人に教えを乞いたいものだ。
若く意気盛んなころとは違う向き合い方をそろそろする時期なのだな。

風土の担い手に出逢う旅をしてみたいものだ。
人か自然かの二元論でなく、どうにか折り合い育まれてきた営みへの敬意を忘れずにいたい。

雨池橋のたもとで、いつも口うるさくがなり立てていたオヤジさんが逝ってからもう何年も経ってしまった。