2022/3/9~10   手別山 

メンバー:ノリ(単独)

コースタイム:3/9 大湯除雪終了点7:10--駒の湯8:55--710m 11:30--手別山12:30--
           テン場12:45 幕営
       3/10 テン場発6:10--996P 7:25--テン場8:00--駒の湯下山10:40--
            大湯除雪終了点着12:30


駒の湯近くのデブリ
温泉の湯気が
家の串と奥壁
手別山から池の塔
鉱山道尾根と家の串尾根
今日のテン場
最後の登り
1000m付近から郡界尾根へ続く尾根
テントがわかりますか?
こんにちわ!声かけても逃げません




【記:ノリ
 駒の湯までの林道は雪崩が怖いといつも思う。大湯に近いところでデブリは珍しくないが、
駒の湯の手前でのデブリには驚いた。高いデブリが行き先と視界を完全に遮っていた。
駒の湯の橋で単独の男性に出会う。駒ヶ岳の端っこに、この時期天の川がかかるので、
それを撮りに未明に出発し手別山から今下山してきたとのこと。
夜中にデブリを見た時は何事が起きたんだろうと思ったそうだ。

今日は、手別山の末端から取り付いた。スノーシューのトレースはあるが、ワカンに重い荷の足は普通に沈む。
それでも、太陽の光に照らされた駒ヶ岳の北斜面には何度も足を止めてしまう。
小倉尾根、鉱山道尾根、家の串尾根、金山沢奥壁。今年は尾根の上の方は雪の着きがいいようだが、
そこまでのアプローチが危ないなと感じた。
手別尾根は718Pを過ぎると時々藪というか夏道様な尾根を歩く。佐梨川側に雪庇が発達するので注意しながら進む。
時々雪を踏み抜きながら、一か所ピッケルで越えて手別山着。
そこからはなだらかな広い尾根になり200mほど進んだ所を絶好のテン場とした。

さてテント設営を始めると、なんとなんとシュラフと酒の2大アイテムを忘れたではないか。なんという事だ。
時間的には引き返せる…しかし…考えあぐね耐寒訓練と腹をくくり、お日様の暖かいうちに衣類を乾かした。
夜、あらゆるものを着こみ巻き付け、ホッカイロは4か所、ザックに足を突っ込み、ロープ類を腰の下に敷き、
エマージェンシーシートを巻き付け、目出帽をかぶり、お湯をテルモスに入れ、忍び寄る寒気に備えた。
21時くらいからは堪り兼ねて1時間に2分間と決めてガスをトロトロと炊く。
カウントダウンで翌朝4時を迎え、はあ~やれやれ、と起き上がる。予定を早めて6時過ぎには出発した。
下からは急に見えたがそれほど苦にならない斜面をアイゼンで高度を上げ、
獣たちの足跡に並行するように996Pに着いた。

そこから郡界尾根までの尾根もいい感じに見えたが、今日はここでおしまい。
それでも自分にとっては初めての場所に来ることができ、込み上げるものもあった。(昨夜は飲んでいない)
下りでは、雪崩の轟音が何度か響く。ここでこの音を聞くと「春」が体の中に入ってくるような気がする。
駒ヶ岳の春はそこまで来ているようだ。